メタローグ
近代と文明によって、真正で豊かな本当の先住民文化が破壊され奪われてしまったという嘆きに満ちた告発は、レヴィ=ストロースや柳田國男を例に出すまでもなく、文化を語る場合のひとつの類型である。著者は、そうした「エントロピー的語りのモデル」のなかに、実際には当事者の声に耳を閉ざす「人類学者」の倒錯と傲慢を嗅ぎつけている。また、たとえば沖縄の若者たちの漫才や奄美の漁民体験ツアーなど、「観光化」として片づけられる通俗的な営みのなかに、当事者たちの、したたかで、けっして奪われるままではいない文化創造の試みの層を発見するのである。(岩崎稔/東京外国語大学助教授)
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内容紹介
いくつもの重大なアポリアに直面する人類学。混淆する文化状況の中で、新たな語りのポジションを志す。その問題提起により大きな話題を呼んだ書に、文化理論をめぐる地殻変動をとらえ返す「文化概念の往還」を書き下ろし増補。待望の注目作。