「Awa come」で原点を確認した彼女らが、次にどうくるかと思ったら意外にも「Awa come」的でした。
書き下ろしの新曲は3曲だけというから、本当の意味での新作というアルバムではないのですね。
いままでのアルバムに入らなかった曲集という趣です。
いしわたり、亀田という名プロデューサーのもとで成長し、「告白」で洗練を極めたが、このアルバムでは無骨と言うかゴツゴツした音でキャッチーでないチャットモンチーを表現してます。
1回目に聴いたときはピンとこなかったですが、10回以上聴いた今、非常に好きなアルバムになりました。(このへんも「Awa come」的)
あっこのほんわかした曲もいいアクセントだし、また「桜前線」から「余韻」までの流れにはしびれます。アレンジにかなり力が入っているので聴くほどに味わいがましますよ。
なかでも「余韻」は名曲です。いままでのチャットの名曲は初めて聴いたときから名曲でしたがくりかえし聴くうちに名曲と思った曲は初めてです。
ただ気になるのは「音楽と人」2011年4月号でのえっちゃんの発言。『自分たちの曲が、サビでヴォーカルが高音に行くのが多いというか....私、唄いながら、<初めて聴いた人には、全部同じ曲に聴こえるんちゃうかな>って思ったんです。』
これと「チャットモンチー デビューに寄せて」といういしわたり氏の発言『「新曲ができたんです!」と、三人が嬉しそうに演奏を始めた。日々の練習でも、彼女たちはいい顔で楽器を鳴らす。曲はいい感じだったのだが、残念ながら、サビのメロディラインが以前に作った曲とよく似ていた。聴き終えてからそれを指摘すると、作曲した絵莉子が一瞬、驚いた顔をしたあと「ああ、ほんまや〜」と残念そうにうつむいた。そしてすぐに顔を上げて、「・・・でも、似てたらダメなんですか?」と一言つぶやいた。』を比較するとちょっと考えてしまいます。
私は「全部同じ曲に聴こえるんちゃうかな」などと余計なことを頭で考えて作るよりも「似てたらダメなんですか?」と開き直って自分から生まれたメロディーを素直に書いて欲しい。えっちゃん、あなたは自分の才能を改めて信じなければならない。あなたはコード一つだけで名曲を作る才能があるのだから。
追記1:ライブツアー「you more前線」を聴いて、自分が保守的すぎることに気がつきました。ライヴで聴くとこのアルバムはかっこいい曲ばかりで、彼女達は同じ場所ではなく新しい場所に行こうとしていることがひしひしと伝わってきました。名盤といっても過言ではないアルバムと思いました。★4つではなく★5つに変更します。
追記2:まさかこのアルバムがクミコン最後の参加作品になってしまうとは夢にも思わなかった。このドラムが聴けなくなると思うとますます宝物のように思えます。