予備知識なしでタイトルだけでこの本を手に取るのはどのような人でしょうか?
多くの場合、自閉症者やうつ病の患者を家族に持つ人ではないでしょうか?
もしあなたがそれに該当するならば、この本は全くお勧めできません。
仕事と家庭が両立できないビジネスマン、あるいはやる気を失ったビジネスマンにとっては元気の出る本でしょう。
「あきらめてはいけない、前向きに捉えていけば道は開ける」という力強いメッセージが伝わってきます。
しかし、うつ病の妻や自閉症の息子をどのようにしてケアしていったのか、その中で自分がどのように苦悩し、その苦悩をどのように受容して変わっていったのか… という、あなたが求めることは全く書かれていません。「あの時はどうした、この時はどうした」という半ば無味乾燥な事実の羅列が大半であり、
・仕事優先で妻のことは病院任せ、息子のことは障がい者サポーター任せ。
・すぐ傍で病気で苦しんでいる家族にも自分の対外的な都合を押し付ける。
・そのおかげで妻は長期入院し数回の自殺未遂。ついでに長女も自殺未遂。
・現在は”家族全員が幸せ”とあるが、それは結果論であり、そこに至るプロセスは障がいや病気で悩む当事者にとっては全く参考にならない
という悪印象しか読後には残りません。
タイトルを「自閉症の子、うつ病の妻を持ちながら仕事で自己実現する方法」と改めて欲しいです。