著者の問題意識は単にエネルギー戦略だけではなく,民主主義のあり方にまで踏み込む。扱われている事例はスウェーデン,デンマークなどであり,風力発電やバイオマスを利用したエネルギー開発の動向を紹介する。
まず,目に飛び込むのが風力発電で得た電力で走る電車の記述である。スウェーデン内で,マルメからイスタッドまでの区間,約50kmに導入された。この話題から始まり,北欧諸国の電力戦略の変遷が記述され,化石燃料,原子力,水力とは異なる,新エネルギー技術開発の舞台裏を報告する。現地の政策に興味を抱いた若手の育成にも関与するなど,政策研究者,教育者,地球市民の顔を持つ著者の姿が見えてくる。21世紀のエネルギー問題を見据えるうえでの好著。 (ブックレビュー社)
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