「入門」なんてものではありません。王制期から、サロ共和国、連合軍側の南王国軍まで、イタリア軍の兵装と兵器をほぼ網羅していると言えます。ですので、第二次世界大戦の基本的知識があった方が、より理解も深まります。
巷間では、「イタリア軍は弱かった」「アフリカ戦では、ドイツ軍の足手まといになった」等と言われておりますが、決してそのような汚名を着せられるばかりではなかった勇敢・勇戦、敢闘した事実も書かれており、認識を改めました。
また、「特攻」兵器−人間魚雷、モーターボート(日本で言えば「震洋」みたいなもの。但し脱出できる。)もあって、驚かされました。この考え方が、日伊で共有されていれば、日本の海上特攻の成功率・生還率も高くなったろうに、と悔やまれます。不思議な事に「特攻」に関しては、ヒトラーは冷淡でした。逆にムッソリーニは神風特攻を賞賛しています(ミラノ・リリコ劇場での演説)。その点でも、イタリアとの指揮系統や兵器情報交換がもっと頻繁に行われれば(事実、イタリア軍籍の潜水艦が日本に回航され、「伊号」にされたことも書かれています。)三国同盟の意義がより活かせたと思います。それにしても、「よくぞ集めた」と思われる貴重な個人所有の写真が多く掲載されており、著者の「執念」が伝わってきます。強いて惜しい点を挙げれば、ムッソリーニの写真が少ないことです。尤もこの本はあくまで「イタリア軍」入門なので、仕方ないのですが。いずれにしても、戦史に興味のある方、買って損はない本だと思います。