この本は、世に保守派として知られている次の九人の方々による座談会の記述である。それは、井上和彦(軍事ジャーナリスト)、潮'巨l(評論家)、加瀬英明(外交評論家)、河村純彦(元海将補)、石平(評論家)、田母神俊雄(元航空幕僚長)、西部邁(評論家)、西村眞悟(前衆議院議員)、水島総(日本文化チャンネル桜代表)の方々である。座談会で語られたことをそのまま活字にしているので、内容にまとまりのないところがないこともないが、それは九人の方達がしゃべったことなので仕方がないだろう。
それはともかくとして、内容がセンセーショナルなので、この方達の思想や考えに反論する人も居ると思うが、どう言おうと彼等は憂国の士であり、愛国者であることは間違いない。何故なら、座談会の発端は、昨今の日本を取り巻く国々の軍備増強や核の保有に危機感を抱き、古来の日本の領土が韓国や中国に略奪されそうになっていることに憂いを抱いていることに発しているからである。同時に、アメリカとの安保条約による核の傘を期待してもいないし、頼るべきでもないと思っている。
そのような状態を打破するためには、独立国として自国を守るための軍備が必要だ、手っ取り早く言うと、抑止力としての核兵器を持つ必要がある、と主張するのである。日本人は、核兵器のことを考えたり、核武装を議論すると、核戦争になる、と言わんばかりの思考停止状態に陥っているので、せめて核武装について国民的議論をする機会を持つべきではないか、と提言している。更に、平和を守ることと現在の日本国憲法を守ることとは違うのだ、と護憲論者を批判している。
内容は極めて現実的であり、切迫した問題を取り扱っている。変な言い方だが、「皆さんは本当に日本人だなあ、」という感想だった。