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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
坊ちゃんの時代(第五部完結編 不機嫌亭漱石)。レビューも第五部完結編,
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レビュー対象商品: 『坊っちゃん』の時代 (第5部) (双葉文庫) (文庫)
(第4部のレビューから続く)夏目漱石の「坊ちゃん」から始まったこのシリーズの最後は、やはり夏目漱石である。そして、取り上げられたのは、漱石が伊豆で大喀血し危篤に陥ったいわゆる「修善寺の大患」のである。漱石はこの時、30分死んだそうである。 第5部では、この30分の間に漱石が見た夢(死ぬ直前に自分の一生が走馬灯のように甦るというやつか?)を中心に物語が進んでいく。夢には今まで登場してきた人物が印象深い姿で登場してくる。本当に、シリーズと明治という時代の最後を飾るに相応しい作品である。 ‘86年に始まったこのシリーズがここまでくるのに12年かかっている。当然、谷口ジローの絵柄も変化している。連載当時の彼の絵柄は、今までの劇画的な荒々しいものから、繊細な絵柄に変化していく過程にあり、まだ劇画的な気配が残っていたのだが、シリーズが完結する頃には現在の絵柄に落ち着いている(私はどの時期の絵柄も好きである)。 私は、元気な漱石と躍動感溢れる物語である1作目は連載当時の絵柄で書かれ、危篤に陥った漱石が描かれた静謐な作品である5作目が現在の繊細な絵で描かれたことは、結果的に良かったのではないかと思う。 このシリーズは、谷口ジローと関川夏央のどちらか一方が欠けても成立することは考えられない、黄金コンビの集大成に相応しい傑作である。単行本と気軽に読める文庫本の両方が販売されているが、谷口ジローの絵の魅力は単行本で味わうべきだと思う。しかし、文庫本も、高橋源一郎等による解説が素晴らしいので捨てがたい。 (レビュー全5部完結)
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
再び漱石とその時代,
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レビュー対象商品: 『坊っちゃん』の時代 (第5部) (双葉文庫) (文庫)
関川夏央原作、谷口ジロー作画「坊ちゃんの時代 不機嫌亭漱石」を読了。作者両名の渾身の作品集のラストを飾る本作は、明治という時代の終焉を見据える。漱石も死に際を彷徨い、啄木も病に倒れる。秋水は死刑の道を辿る。彼らが描いた明治が作中に登場した人物達の死とともに終焉を迎える。漫画という世界に留まらない、大傑作集です。緻密な作画と文学的な構成が織り成す本作は文芸作品として捉えるべきである。 近代から現代にかけての日本の変遷を知る上で、明治という近代への入り口を理解することは、現代を理解する際に必要不可欠なことである。そのきっかけに本書は位置している。
5 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
12年かけて、二人の天才が完成させた『坊ちゃんの時代』の人間群像とその時代に驚嘆!!,
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レビュー対象商品: 『坊っちゃん』の時代 (第5部) (双葉文庫) (文庫)
まさしく『坊ちゃんの時代』。あの時代、多くの魅力ある人材がうごめいていた。それを 全員 登場させ、あの時代を生き返させんとした野望。脚本の関川 夏央、そしてそれを画として完成させていった谷口ジロー。気の遠くなる話し。特に、絵にしていった谷口ジローはいかにしんどかったかと想像する。逃げないで、ついに完成させたのだ。実に12年間の長い年月がかかった。「未知の世界」に挑戦し続ける、粘り強さ、感性、創作力。 私は この作品にであったとき驚愕した。既存の「漫画」とは異なるジャンルの出現と感じた。 二人は 新しき物作りにおのれの人生の一番元気な時をかけた。こうして 私たちは 日本国で最高の作品と出会う幸せをえることができた。 関川 夏央と谷口ジローが作り上げた 過去の「日本漫画」を止揚した「宇宙」の登場。(これを 感動といわずして何を感動といえるのか。)日本国で これ以上の 「創造物」にまだ会ったことはない。日本に新しい文化が誕生したのだ。このことを確認し、二人の創作者に 感謝したい。世には偉大な人物がいるものだ。 しかし、今の時代と『坊ちゃんの時代』を対比し、これからどう生きるかは我らが、見つけねばならないと迫られているようでもある。
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