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『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫)
 
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『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫) [文庫]

関川 夏央 , 谷口 ジロー
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ハレー彗星が長い不吉な尾を曳いて地球に接近したのは、明治四十三年だった。彗星の淡い光芒とともに歴史の舞台を横切った秋水、須賀子、寒村、そして血気に満ちた不運な青年たち──。明治から現代を照射する関川・谷口コンビの力作第四部。

登録情報

  • 文庫: 308ページ
  • 出版社: 双葉社 (2003/1/7)
  • ISBN-10: 457571240X
  • ISBN-13: 978-4575712407
  • 発売日: 2003/1/7
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By hiraku トップ1000レビュアー
形式:文庫
関川夏央原作、谷口ジロー作画「坊ちゃんの時代-明治流星雨」を読了。いわゆる大逆事件へ進んでいく日本の社会主義運動、無政府主義運動を幸徳秋水を中心として描く作品。大逆事件がなぜ起こったか、なぜ大勢の死刑を生んだのかが簡潔明瞭に理解できる。この時代は大杉栄を入り口にして少し調べていたので、今後は幸徳秋水からも見て見たいと思った。
江戸時代から近代に向かう日本の中には様々な矛盾を包含して進むしかなかった時代背景がある。その時代を各人を通して見つめ直す彼らの仕事に敬意を表する。それに、なかなかなじみのなかった明治の文豪たちの作品に興味を持たせてくれたことにも感謝である。森鴎外なんて読もうとも思わなかったが、本シリーズを読み進めるにあたって、非常に興味深い作家のひとりとなった。
次作で最終となる本シリーズであるが、これからも読み語られるべき作品である。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
(第3部のレビューから続く)

この第4部では、天皇暗殺を計画したとして多くの社会主義者と無政府主義者が逮捕された「大逆事件」とその前夜を扱っている。主人公といえる人物は事件の首謀者の一人とされた幸徳秋水や菅野須賀子だろうが、この作品は「思想」そのものと「国家」が主人公といえそうである。

関川はあとがきで大逆事件を取り上げた理由を『この事件の明治知識人に与えた衝撃と影響の大きさははかりがたく、昭和20年の破滅へとつながる道はこれによって定められたのであるから、明治精神史を描くなら不可欠であると見とおしたためだ』と記しているが、この指摘は的をえていると思う。大逆事件については様々の本が出版されているのでここでは触れないが、後にこの事件はでっち上げということが明らかになっている。

関川はこれもあとがきで『事件そのものと主人公の性質による束縛から、作品にユーモアという重要な要素に欠けた憾みは大いに残った』と記している。確かにそうだが、だからといって陰惨なのではない。

それは、拷問などそういう陰惨さを強調した場面が殆ど描かれていないこともあるが、やはり、谷口ジローの細やかなタッチで描かれた絵(人物も背景も含めた全て)ではないかと思う。なかでも、感情の起伏が激しい菅野須賀子と対照的に、厳しい場面でも穏やかに描かれている秋水の表情がそれを象徴しているような気がする。もっとも、秋水は実際そのような人物であったようである(私生活は豪快だが…)が。

(最終第5部のレビューに続く)
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By おじいさん VINE™ メンバー
形式:文庫
 まさしく『坊ちゃんの時代』。
 あの時代、多くの魅力ある人材がうごめいていた。それを 全員 登場させ、あの時代を生き返させんとした野望。脚本の関川 夏央、そしてそれを画として完成させていった谷口ジロー。気の遠くなる話し。特に、絵にしていった谷口ジローはいかにしんどかったかと想像する。逃げないで、ついに完成させたのだ。実に12年間の長い年月がかかった。「未知の世界」に挑戦し続ける、粘り強さ、感性、創作力。
 私は この作品にであったとき驚愕した。既存の「漫画」とは異なるジャンルの出現と感じた。
 二人は 新しき物作りにおのれの人生の一番元気な時をかけた。こうして 私たちは 日本国で最高の作品と出会う幸せをえることができた。
 関川 夏央と谷口ジローが作り上げた 過去の「日本漫画」を止揚した「宇宙」の登場。(これを 感動といわずして何を感動といえるのか。)日本国で これ以上の 「創造物」にまだ会ったことはない。日本に新しい文化が誕生したのだ。このことを確認し、二人の創作者に 感謝したい。世には偉大な人物がいるものだ。
 しかし、今の時代と『坊ちゃんの時代』を対比し、これからどう生きるかは我らが、見つけねばならないと迫られているようでもある。
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