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『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人  アクションコミックス
 
 

『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人 アクションコミックス [コミック]

関川 夏央 , 谷口 ジロー
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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登録情報

  • コミック: 286ページ
  • 出版社: 双葉社 (1989/10)
  • ISBN-10: 4575931764
  • ISBN-13: 978-4575931761
  • 発売日: 1989/10
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TaroTaro トップ500レビュアー
(第1部のレビューから続く)

第1部のあとがきには、1作目が好評だったこととコンビの創作意欲の高まりから第2部以降も製作することになったとある。第1部で「坊ちゃん」という近代化途上の日本における敗者を描いたこのコンビが、第2部で表面的には近代化における勝者といえる「森鴎外」を選んだのは必然だったのだろう。

しかし、サブタイトルにあるとおり、この第2部で描かれているのは「舞姫」である。和魂洋才を体現する鴎外が、ドイツ人であるエリスと、「家」が個人に優先する日本の伝統の間で悩み揺れる姿が描かれている。

あとがきで関川は「近代以降…日本に恩恵を与え、同時に悩み苦しませてきたのは西欧文明であり、西欧文明とのつきあいのきしみである。…鴎外は、西欧とのつきあいにおいて近代日本の先達である」と記し、「洋才を内に秘めながら日本人とはなにか、日本文化とはなにか、という問いに呻吟しつづけた先師である」と続けている。私は森鴎外のことを詳しく知らないのだが、頷ける文章である。

この第2部でのもう一人の主人公はエリスである。日本にやってきた彼女は鴎外に会うことが出来ないのだが、その代わりに実に多くの人物に出会う。実際、この2部が彼女を中心に展開しているといっていい程である。当然創作なのだが、非常に生き生きと描かれている。しかし、日本での滞在を通じて日本文化を理解した彼女と鴎外と別れのシーンは、やはりこの作品のクライマックスであろう。このシーンの二人のセリフのために、この作品が描かれたのではないかという気がしてならない。

(第3部のレビューへ続く)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hiraku トップ1000レビュアー
関川夏央原作、谷口ジロー作画の「坊ちゃんの時代-秋の舞姫」を読了。坊ちゃんの時代の第二部。森鴎外の目から見た、明治という近代化を目指した時代考証。彼の作品「舞姫」の顛末からこの時代を見つめる。
本作の白眉は最終章でホテルのフロントが鴎外に対し、西洋人のエリスについて「美しい人ですね」と言った言葉に対して、返答したセリフ。
「西洋人を美しいと思うことが・・・爾後百年日本を苦しめることになるでしょう」
「どだいつくりの違うもの くさすもほめるも無理なのです。他に憧れて自信を失えばおのずと醜くなる」
「他を低く見て 増上慢すればおのずと卑しくなる・・・それが理です」
深い観察です。
鴎外も明治という時代に翻弄された人間。旧来の精神と近代化の間で揺れ動いた人間なのです。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 鴎外のドイツ留学で知り合った外国人女性が、結婚の約束を求めて来日する『エリス事件』をベースに、西洋文明と向き合わざる得ない明治の人たる森鴎外と二葉亭四迷らの葛藤が描かれています。本書のヒロイン、エリス嬢の爽快なまでの言動に拍手を送りたい気持ちになりました。『家』を背負わざる得ない鴎外に対し、身を引くエリスの心情や、遊女の足抜けを助ける義侠心あふれる男たちを叱咤激励する彼女のその姿は、本書の一番の魅力です。高校の教科書で読まされた『舞姫』を、近代日本人の苦悩やらと難解な解釈に敬遠していましたが、本書にもっと早く出会えていたら、もっと『舞姫』を理解できたかと思うと残念です。
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