「市民みんなが記者」という独特の方針を掲げる韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」は、ライブドアのニュース部門が同ニュースを研究してきたことでも知られる。
本書は韓国におけるインターネット・メディアと政治が、いかなる相乗効果でともに実りある成長を遂げてきたかについて述べられており、とりわけ2002年韓国大統領選挙の背景を知ることができる絶好の著書である。
しかし以上の視点だけでは、韓国での成功は必ずしも外国語圏に適用できないとして議論が終わってしまうだろう。
しかし、「オーマイニュース」が創刊にあたり既存のインターネット新聞から謙虚に学んだこと、生活経験をニュース価値として評価していること、「記者クラブ制度」駆逐の原動力になったことなど、日本も含む他の言語圏のインターネット・メディアにも参考になる記述が、本書には少なくない。
解説によれば、著者の呉連鎬(Oh Yeon-Ho)・「オーマイニュース」代表は、「準備された市民」という言葉で社会改革を望む市民の必要性を説いているが、既存の権威にしばしば操作されてきた人達がいかに「準備された市民」になっていくかが、ブログが普及しつつある今後のインターネット社会の課題といえよう。