かつての蒸気機関車機関士を中心に、全国各地の鉄道OBに丹念にインタビューを重ねて発表されてきた本シリーズもこれで六冊目となる。今回も全国十四の機関区を取り上げている。第六部の特徴としては樺太鉄道、三菱大夕張鉄道など現在ではその存在自体が失われてしまった題材が含まれていることが挙げられる。戦後の引き揚げや炭鉱事故等のエピソードと、職務としてそれらのエピソードに接した実体験を語るOBたちの言葉には特に心を動かされた。
資料としての貴重さだけではなく、著者による綿密な取材・OBたちの言葉の力・鉄路の写真による迫力など、このシリーズの素晴らしさを成す要素は多い。鉄道ファンを中心に、多くの方にお薦めする次第である。