99年の本解散前から構成員より、日本で一番盛り上がる地として特別な存在であった大阪は、解散後のデーモン閣下(Vo)のソロ活動においても、「大阪のステージを収録したい」という発言もしばしばあり、「Demon’s Rock EXPO」の大阪公演においては「大阪公演を収録するには、予算の問題をクリアしないといけないので、君たち(観客)の中で、撮影スタッフを泊めてくれる家を募集する!」「または、君らの中で撮影技術を持っている奴は居ないか?」という発言も飛び出す程。そしてこの度、期間限定再集結・聖飢魔IIの大阪ミサが、映像作品では無いものの2枚組みCD作品として発布された。
国内ツアーを4公演終え、5都市目として大阪国際会議場(グランキューブ)で行われたミサを収録したのが本作で、2日間行われたミサは両日録音され、その中よりベスト・テイクを選び収録されたと思われる。2部構成で行われた本ツアーの演奏曲が順に再現されており、MCや影アナはダイジェストではあるが、ミサの流れ通りの位置に収められている。今回のツアーは、「悪魔NATIVITY」「悪魔RELATIVITY」に準じたベスト選曲的セットリストだが、予期せぬ「GO AHEAD!」で幕を開けたり、初盤で早くも「JACK THE RIPPER」が登場したりと新たな試みも満載されており、特にジェイル大橋代官(g)流のジャジーなソロが聴き所の「RATSBANE」も意外な選曲だったと言える。それにしても、中間部に変拍子を駆使した「GO AHEAD!」「嵐の予感」を筆頭に、「1999 SECRET OBJECT」でのルーク篁参謀(g)の速弾きとタッピング等、音楽的にも技術的にも高度な技を一糸乱れぬ正確さで披露するのだから、構成員の世界水準とも言える演奏技術の高さを再認識できる。ツアー自体も数公演終えて脂が乗って来た絶好調な頃だが、実は代官は、この大阪公演時は過労で(?)体調を崩し、ベスト・コンディションでは無かったらしいが、本作を聴く限りではそれを感じさせない素晴らしい演奏。
街並み、風景、人情・・・等々、日本国内を見渡しても、その地域に根付いた風土とでも言うべき独特の雰囲気が存在し、それは古くからその土地の生活習慣や文化によって築かれ受け継がれて来た、その土地特有の空気でもある。全国をツアーで廻るアーティストなら、その空気の違いは敏感に察するであろうし、同じツアーに複数回参加された信者の方も、公演地によりステージの雰囲気が異なる事を実感されたかも知れない。その特有の空気は、時としてアーティストや音楽と融合し、また他の土地の人々も取り込み大きな感動や力を生み出す。聖飢魔IIと大阪という地が融合し生まれる、最高潮のパワーを本作で堪能したいところだ。