ダニエル・クレイグのボンド役第2弾作品が日本では年明けの新春映画として公開されるという情報はとても嬉しい。カジノ・ロワイヤルを観てから、50年以上も前の邦訳本も読むなどすっかりファンになった。決定的に惹かれる要因が何であるのかは今もよく分からない。本サウンドトッラクをじっくり聴きながら、それを考えてみたいところである(全部で長短25曲が収録されているが、作品のどのシーンに対応しているのかすぐには分からないのが情けない)。
次回の映画は前作品の「一時間後」から始まるという設定のようだ。たしかに愛する女性(ヴェスパー)を失ったボンドがある種の復讐を起こすような「次」への予感を十分に残すエンディングであった。ダニエルがボンド役を演じていたことが私にとっては大きなインパクトがあったのではないか。DVDへのレビューでも書いたことかもしれないが、彼は愛する女性のために、英国情報諜報員という現在の仕事への辞意を上司であるMに伝えている。007に昇格したばかりのボンドにとって、それは非常に重大な決断であったに違いない。そんな人間らしい魅力を彼に見出すのは私だけではあるまい。
ダニエルのボンド役はしばしば、「飾らないボンド=Natural Bond」と呼ばれるようだが、私も彼の演技には自然と惹かれた。本当に新作が待ち遠しい。多くのレビュアーが書いているように、本サウンドトラックには、クリス・コーネルの主題歌YOU KNOW MY NAMEは収録されていない。私は彼のアルバム集も同時に購入したが、やはりあの強烈な印象を放つ主題歌をじかに聞けないのは寂しい。トランプを駆使した劇的な映画シーンとともに、迫力に満ちたコーネルの声が奏でる主題歌は何度聞いても力強く、ボンドの生き様を見事に歌い上げている。月並みな表現で申し訳ないが、文句なしにかっこいい。アルバム+DVD+文庫の3点セットの購入を推奨したい。