TPP推進を図る日経新聞をして広告掲載拒否をせざるを得なかった、衝撃の書。
東日本大震災の影に隠れて話題に上ることが少なくなっていた感のあるTPP
(環太平洋経済連携協定)の真実について書かれています。
経済連携協定という名前から見ると、良さげな協定に見えますが、その実、
アメリカの輸出をやりやすくするために作られた協定であり、いかに日本にとって
メリットがない協定であるかが、豊富なデータによって解き明かされていきます。
この本ですが、3人の連作になっていて、それぞれ、現状分析、アメリカの事情、
経済学的な視点、とそれぞれの持ち味を生かした内容となっており、そんなに
厚い本では無いのですが、3冊分の内容凝縮されていて、お得感があります。
117ページに対応を協議するために作られた24の作業部会一覧表が掲載されています。
24の部会があるということは24の分野があるということで、つまり日本の社会を構成
している24の分野で、アメリカの会社が活動しやすい様になる訳です。本来は日本の
意向も反映したところですけど、そもそも論として、本協定がアメリカの貿易赤字、
財政赤字の双子の赤字を解消するために生まれたものであることを、忘れてはいけません。
今の日本に、ドルの信認が切れかかっている手負いの獅子に勝つ交渉を期待する方が無理。
もちろんTPPに参加した方が良いこともあります。ただ、それも参加しなかった場合と、
した場合とで冷静に判断した上での結論でなければなりません。その判断材料として
非常に良くまとまった本だと思います。
ちなみに、この作業部会に「労働」というのも入っています。だから殆どの人は無関係
ではありません。知らなかったでは済まされない内容です。多くの人に読んで欲しいです。
この作業部会には「サービス(電気通信)」というのもあって、TV局も無関係では無さそう
ですが、日本のマスコミの反応が薄いのは不思議な所です。