直近にアニメサントラとしてバンパイヤ騎士や西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜、ROOKIES、NHKスペシャル 病の起源 といった、引き出しの多い羽毛田さんらしく作品世界に寄り添ってフィットした楽曲を作っていたりします。それらは、メインとなる旋律は思いの外聞こえてこなくて、そつのないサウンドトラックという感じが強かったりします。それは、たぶんCDでまとめて聴いてみると、テーマ性に書いた雰囲気を感じてしまうというものになるのではないか、と思えたりします。
その点から前作である 魔法遣いに大切なこと は、作品のコンセプトから受けた印象を元にしつつ、かなり自由に自らの楽曲として作ったという印象が強かったですし、それが作品にもいい影響を与えたと思えるものになっていたりします。その点は、今回の〜夏のソラ〜でもアイルランド系のものという一つの柱ではいかんなく発揮されています。ただし、メインテーマとなる旋律とそのアレンジが多くを占めており、楽曲としてのバリエーションの多さにつながっていないのは、前作を気に入っていた人にとっては不満が多少残るものになっていると思います。
もう一つの柱であるロックなものというのは、直近ストリングスの大きな編成やオーケストラ系のきれいな感じとは対極を成すものですが、実はこれも羽毛田さんの得意分野といえるものだったりします。いわゆるアメリカン・ロックといったものは、それほど旋律にキャッチィなものはないのですが、この〜夏のソラ〜では、作品の映像表現にもぴったりと合っていたりします。しかし、作品にあっているものは、作品自体の評価も良くないと楽曲としてあまり評価されないという前例通り、あまり評判は芳しくないかもしれません。
アイルランド系のものとロックなもの。このちょっと合わさらない2つのコンセプトの楽曲が、一つのサントラとしてきちんと並び立って響いているというのは、個人的には気に入っていたりするのでした。