最初、この本を図書館で借りて読んだのは、およそ十年前。
当時としては、斬新な内容で、しかも、読んで面白く、ずっと記憶に残っていました。
当時としては、なんて生意気な書き方をしてしまいましたが、対症療法が主だった医学会に、健康医学という分野を確立した立役者のおひとりが、この本の著者の家守幸男先生で、家守先生が「週刊読売」に連載していた記事と、それをまとめた本書は啓蒙書として画期的でした。
家守先生たちが活躍する以前は、とにかく健康には痩せること、痩せるには、糖質や脂質はもちろん、タンパク質やカルシウムも摂ってはならない、などという恐ろしい「常識」がまかりとおり、テレビもそんな「常識」を垂れ流し、それを信じてダイエットに取り組んだ若い女性が心筋梗塞で亡くなった、なんて話がざらにありました。
本書は文庫化されたようですが、わたしは敢えて大きな版を古本で買いました。
この本をもとにして、NHK教育テレビで番組が組まれました。
その番組がすごく面白かったので、是非、初版本を手元に置いておきたいと思った次第です。
この本で取り上げられた地域に、今、行ってみても、食習慣はかなり変わっているでしょうね。
「食民俗学」ともいうべき、貴重な記録としても読める名作です。
それにしても、食習慣は他文化と触れ合うことで、容易に変わってしまうものなのですね。
悪貨は良貨を駆逐する、みたいに……。