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「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)
 
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「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫) [文庫]

原 武史
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

開業から百四十年、鉄道はもはや、日本人と切っても切れない存在になった。その発達は都市の形成に影響を与え、文学の一ジャンルを生み、沿線に特有の思想を育てた。また天皇制支配を視覚的に浸透させる目的で活用されたお召列車での行幸啓など、国家や政治とも密接な関わりがあった―鉄道を媒介にして時代を俯瞰する、知的で刺激的な「鉄学」入門。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

原 武史
1962(昭和37)年、東京都生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。国立国会図書館、日本経済新聞社勤務を経て東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学教授、専攻は日本政治思想史。著書に『昭和天皇』(司馬遼太郎賞受賞)『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞受賞)『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞受賞)『大正天皇』(毎日出版文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 255ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/1/1)
  • ISBN-10: 4101345805
  • ISBN-13: 978-4101345802
  • 発売日: 2011/1/1
  • 商品の寸法: 15.2 x 10 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 いくつかのテーマ, 2011/8/29
By 
志村真幸 - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫) (文庫)
 2009年にNHKで放送された「NHK知る楽」の内容をまとめたもの。同年6月に放送のテキストとして出た『鉄道から見える日本』の改題・文庫化である。
 内田百'閨E阿川弘之・宮脇俊三という鉄道紀行の巨人たちについて、天皇の鉄道利用と近代日本、沿線開発、西の阪急と東の東急の対比、鉄道騒擾の分析など、鉄道にまつわる8つのテーマから近代日本が切り取られている。
 これまでの著作/研究の内容を分かりやすく簡潔にまとめなおし、新資料を加えたといった内容だ。
 近代日本の歴史が、鉄道という素材からくっきりと浮かび上がっており、非常におもしろかった。ただ、いささか図式化しすぎているようなきらいもある。
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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 充実の筆力, 2011/1/25
By 
これでいいのだ - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫) (文庫)
 天皇制を主テーマにした近代政治思想史の学究による、大真面目な「鉄道学」本。ご本人は「専門家ではない」と断ってはいるが、鉄道と日本の社会史との関わりを膨大な史料と具体的な見聞・経験を基に、闊達自在な、それでいて軽佻なところのない筆致で記述。そのうまさは、鉄道に関しても「セミプロ級」で、実際、読み始めると面白くて最後まで止まらなかった。

 巻末の宮部みゆきさんの解説も秀逸で、読後感も彼女のおっしゃる通りというほかなく、「鉄道紀行文学の3人」「鉄道に乗る天皇」「西の阪急と東の東急」「都電の消滅と地下鉄」「新宿駅の騒乱」「上尾駅などでのサラリーマンの暴動」など、どこに入り込んでも興味は尽きなかった。ことに、市電(都電)が東京の街中をくまなく網羅していた頃は視覚的に皇居そのほかの風景が日常的に身近だったのに対し、大半の都電の廃線と地下鉄ネットワークの拡充はその風景を見えにくくした、という指摘はなかなかに面白かった。それやこれやで、自信をもって☆五つを呈示する次第。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 鉄道を軸にみると「高度成長期」の1960年代前後に大きな断絶が生じたことがわかる, 2011/3/9
By 
左党犬 (日本国 JAPAN) - レビューをすべて見る
(トップ100レビュアー)   
レビュー対象商品: 「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫) (文庫)
 歴史学者・原武史の「鉄学」概論である。タイトルにひかれて手にとった読者も、すでに原武史の著作を何冊か読んできた者にとっても、十二分に楽しめる内容の読み物になっているといえよう。また本書から逆に個々の作品に読書の幅を拡げていくのもいいかもしれない。原武史のエッセンスが本書に凝縮されているからだ。一言でいえば、「鉄道×日本近現代史」である。

 この本に取り上げられたテーマを列挙するなら、鉄道紀行文学、鉄道沿線と作家、近代天皇制、東西日本の私鉄沿線宅地開発、住都公団による鉄道沿線の団地開発、路面電車の廃止による首都東京の記号化、といったことになるだろうか。
 本書を読んでいて強く印象を受けたのは、鉄道を軸にして考えると、第二次大戦を境にした戦前と戦後の断絶よりも、1960年代を前後にした断絶のほうがはるかに大きいということだ。
 1960年代とはいうまでもなく「高度成長期」、この時代にはモータリゼーションの急激な進展にともなって渋滞緩和のために高速道路が建設され、路面電車である都電は廃止され地下鉄によって代替され、住宅供給の目的で私鉄沿線には多数の団地が建設された。
 東京への一極集中がさらに進んだなかで、1970年代前半には新宿駅を舞台にした暴動や、都内各地や高崎線上尾駅での通勤者による暴動も発生したのであった。2010年代のいまからはまったく想像もできないような状況が、民営化前の国鉄(当時)には存在したのである。著者と同じく1962年生まれの私には、肌感覚をもって理解できることも多い。

 鉄道を軸にして日本近現代史を考える、あるいは日本近現代史を鉄道をつうじて見る。そのどちらでもいいのだが、とくに「高度成長期」とは何だったのかを考えることのできる内容になっている。文庫本なので、ぜひ車中で読みたい本である。
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