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「進化論」を書き換える
 
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「進化論」を書き換える [単行本]

池田 清彦
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

自然選択は進化の原因ではなく結果である。ダーウィンからネオダーウィニズムに至る自然選択を主因とする進化論が大進化の理論を考えることができなかったのは、形態形成システム自体の変更こそが進化にとって最も大きな要因であることに思い至らなかったからだ―。遺伝子還元主義の誤謬を明らかにしながら、研究報告されている最新の事例に則して「進化」という「誰も見たことのない現象」の実相を鋭く論究する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

池田 清彦
1947年、東京都生まれ。東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了。生物学者。現在、早稲田大学国際教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 189ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/03)
  • ISBN-10: 410423107X
  • ISBN-13: 978-4104231072
  • 発売日: 2011/03
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By yutoato
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核となる主張に説得力がなく、矛盾も抱えているばかりか、随所におかしな記載が散見される。新たな理論を主張しようとしているクセに、それをわかりやすく説明するための図がほとんどないというのもいただけない。

著者は、「自然選択は進化の結果であって原因ではない」と主張し、自然選択を進化の要因とするネオダーウィニズムを否定している。だが、この著者自身が、結果ではなく原因を説明できていない。

ダーウィニズムは、進化の原因は「遺伝子のランダムな突然変異」であると具体的に説明できているが、本書の著者は、(彼が進化の本質だとする)「形態形成システムの変化」のそもそもの原因を、提示していない。環境により変化すると言うが、なぜ環境が変わると形態形成システムが変わるのか、肝心な点を明確に説明していない。しかも、形態形成システムを次の世代に受け渡す具体的なしくみも何ら言及がなく、進化の本質としての新たな理論を、全く具体的に提示できていない。

そもそも、(変化の結果生まれた)新たな形態形成システムが生き残るか否かは、結局は自然選択で決まるのではないのか。著者の主張が、「自然選択は進化の結果であって原因ではない」という言葉と、整合していない。

また、著者は、「自然選択は、小進化を説明できるが大進化を説明できない」と主張するが、「小進化を繰り返した結果、大きな進化になる」という考えが、なぜダメなのか、説得力のある説明が全然できていない。著者が主張するように「形態形成システムの変化」が進化の主要因であるとしても、結局は大進化は説明できない。「形態形成システムの変化」ではDNAは変わらないのだから、DNA自体が大きく変わるような大進化は、むしろ起こり得ないのではないのか。全く説得力がない。

第三章で、「水中で生きる生物に足が生えたのだから、これは明らかに自然選択ではない」、という言があるが、これが本書の全てであると思う。水中で生きているからといって、生えた足が邪魔にならなければ、淘汰されず生き残るわけで、これは自然選択によるサバイブに他ならない。ダーウィニズムは別に中立説とは矛盾するわけではなく、何か役立つものが現れなければ即「自然選択」ではないとする著者の解釈の狭さが、この本に蔓延する矛盾感の根源であると思う。

たとえば、1つの狭い湖でシクリッドが複数種に進化した実例を、環境隔絶による進化を否定する例として挙げているが、これもおかしい。地理的に同じ湖であってもニッチ(エサや水温や周囲の植生など)が違えば環境隔絶になるのだし、そもそも同種内での小進化に過ぎないのだから、複数が淘汰されず1つの湖で生き残っていたとしてもダーウィニズムの主張とは別に矛盾しない。

ただ、「DNAが生命の設計図であり、DNAさえあれば生物を復元できる」といった間違った考え方をただす記載が、いたるところで強調されている点、発生においてDNAに頼らずに分化がすすむ工程がある点を丁寧に説明している箇所は、生物学の啓蒙書としては評価できると思う。
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反ダーウィン主義をライフワークとする著者による、発生システム論(DST)やエピジェネティクスその他の解説本。DSTとは一言でいえば、遺伝し進化するのは塩基配列でなく、配列が翻訳され体を作っていく発生過程全体だというもの。ところでダーウィン主義者がいう変異とは遺伝性がある個体差くらいの意味であり、DSTはその変異がどうやって生み出されるの話なのだから自然選択と反する要素はほとんどない。本書は発生生物学に関連する説明ではあまり道を踏み外していないと思うが、自然選択批判では思いっきりこの種の意味論的誤りを犯している。

他の著作に見られるような論理的なおかしさが、本書にもあちこちに見られるのはガッカリさせられる。前半では自然選択による進化を否定しないといいながら、後半では自然選択は進化の原因ではなく結果だ、と矛盾したことを主張している。この直前に引用されている研究が述べているのは、選択が働くための個体変異は選択に先立って存在する、ということ。しかしこれを「選択は進化の結果」と表現するのはどう考えてもおかしい。社会生物学批判では、形質と一対一で対応する遺伝子があるとナイーブに仮定していると批判する。さて著者は量的遺伝子座モデルを知っているだろうか。著者が批判するようなことはずっと昔から考慮されてきた。しかも一遺伝子一形質モデルの問題と、ゲイが適応として進化したかどうかという別の問題を巧みに混同している。大腸菌の自己ゲノム組み替えの話では、「変異に方向性があるかどうか」という話が、いつの間にか「大腸菌が自分自身で変異を起こすことの意義」の話にすり替わっている。

本書から学ぶべきは進化やDSTについてではなく、誤った不適切な論理の実例だろうと思う。
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Amazonが確認した購入
明確に説明が出来なければ、本書は「進化論を書き換えた」ことにはならないと思われる人がいる。

著者は遺伝子の「突然変異」、「自然選択」、「遺伝的浮動」ということのみで、
生物の進化をすべて説明できないとしている。

生物が適応のために形を変えたり色を変えることはあるものの、
それが種からある別のカタチに移行するまでの大胆な進化は、
ネオダーウィニズムでは説明がつかない。

つまり、小さな進化(種内変異程度)はネオダーウィニズムの範疇に入るが、
生物そのものの大きな進化は遺伝子だけでは決まらず、
遺伝子の周りに存在する細胞(システム)によって決まる。

遺伝子をいくらいじっても蝿はハエのままであり、モスラにはならない。
進化の決め手は、システム(形態形成システム、)そのものにある。
そのシステムに注目しなければ、生物の進化は複雑であり、
遺伝子還元論などでは到底太刀打ちできない。
さらに、時間軸も加わるため、どのようなスイッチとタイミングで進化を遂げるのか、
観察できないため難しいが、少なくともネオダーウィニズムによるこうしたすっきりとした考えではせいぜい、
種内変異ていどで、小進化を重ねていっての大進化など説明できないのである。

まず、進化の系統は大進化があって、中進化→小進化となるのが自然ではないだろうか?
(そして進化の系統図は界→門→鋼→目→科→属→節→種…と末広がりではなく、
むしろその系統は先細りを示唆している)

またネオダーウィニズムが主張するような小進化を繰り返して大進化が仮に起こりえたとしても、
途中の進化が爆発的にスピードが上がらない限り、中進化中の種は自然選択により絶えてしまう可能性が極めて高い。
よって、進化はもっと一気に進むというのが著者の主張である。(一気といっても目に見えるスピードではない)

ネオダーウィニズムの主義とは徹底的な唯物論、機械論、還元主義、反進歩主義である。
さらにいえば、ダーウィニズムとメンデリズムを合体した理論で、彼らが言う進化とは、
DNA(遺伝子、ゲノム)の実態の変化とコピーの増減を挙げるが、
実体の変化は偶然であり、漸進の動因は自然選択としているのだから、
ゲノムの変化を記述するには、一見これでいいように思われるのだが、
実際は、そのDNAを覆っているのは、システムであり、それは拘束しているものであるから、
実は簡単には、システムの変化を記述することは出来ないのである。
なぜなら、システムは実体に分割できないからこそのシステムだからである。

つまり、『DNAの中に生物が生物たらしめている情報がすべて入っている』などという、
言説が一度たりとも実証されたことなどないので、ネオダーウィニズムの主張は破綻しているということになる。

ハエはいくらDNAをいじってもハエにしかならない。

よって、ダーウィンを参考にしつつも、ネオダーウィニズムは破綻しているため、その考えよ“さらば”。
『進化論を書き換える』。となる。

この辺の記述は、当書籍では、救い上げることが難しいかもしれないが、
池田氏の一連の生物の本、「細胞の文化、ヒトの社会」なども参考にしていけば、
じっくりとわかるはずである。

池田氏の不運なところは、そういう学術的な本が売れず、わかりやすく噛み砕こうとしている本に
人気が集中し、ネオダーウィニズムたちが、全体、細部を感情を抜きにして読み込んでいただけないが故の、
“もどかしさ”があると思う。
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