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本書で紹介されるアンの作者(モンゴメリ)の生涯は苦悩に満ちたものでした。
少女時代のモンゴメリには、将来の幸福が二通り見えていました。
一つは、作家として人々の記憶に残る作品を書き天才として認められることです。
もう一つの幸福は、自分の教養と釣り合うだけの知性と職業を持った男性と結婚し、彼に尽くし、多くの子どもを生み育てる家庭を作る幸福です。
『アン』を書くことによって一応の人気作家になり、結婚して家庭を持ったものの、モンゴメリには文学的天才という満足感は得られません。
<天才>を目指せば、<女>としての幸福が得られず、<女>として生きるには<天才>への憧れが断ち切れない。それでもなおかつ彼女は、<女>の<天才>になろうと愚直な努力を続けました。それは、夫に尽くし、子どもを育て、その合間に「雷鳴のような神々の声」を聞こうとすることです。
とうとう、『アンをめぐる人々』の原稿を出版社に渡した直後に、モンゴメリは自殺してしまいました。社会規範にしばられながら作家としての夢を目指すことに疲れたのでしょうか。
アンの作者がこんなに苦悩に満ちた人生を歩んでいた、ということを知り、大きなショックを受けました。フェミニズムというのは、女性の置かれた厳しい現実の姿を目の前に突きつけるものなのですね。
女性の置かれた立場について、もう少し考えてみよう、と思わせる本でした。
モンゴメリーは、本当に神経衰弱の果てに自殺しなければならないほど不幸だったのでしょうか?だとしたら、それは何が原因だったのでしょう?この本を読んで一人一人の女性が自分の生き方を比較しながら、それを考えてみるといいのではないかと思います。
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