年収による個人融資の上限設定、金利引き下げを定めた改正貸金業法の成立で、個人・中小企業が金を借りられない「借金難民」が生まれている、とする本書。外資金融機関でノンバンク向け資金調達のアレンジをしていた著者は、ノンバンクの3つのコスト要因を解説、貸出金額の20%前後のコストがかかっているため、金利上限20%では、赤字になってしまう。と指摘する。また、借り手は金利は二の次で、借りられることが何より重要とし、「金利は日々変動するのだから、せめて市場金利に連動して一定期間で見直せるようにすべき」と提案する。過払い金返還訴訟を起こした借り手は「事故扱い」として金を貸さない、という裏話も初めて知った。
著者の擁護論は正しい点も多く含んでいると思うが、改正貸金業法が施行された現在の本書発行は、余りに時機を逸した感がある。なぜ、改正が論議されていた時に出なかったのか…。また、破綻した旧商工ファンド、SFCGについて擁護しているが、SFCGのとどめを刺したのは、ビジネスモデルの崩壊以上に、経営者のモラルのなさだったのではないかという気もする。
しかし、「サラ金」という言い方は行儀が悪いが、かつてサラ金に金を貸していた著者は、貸金業崩壊で、金の流動性が減り、経済も低迷すると見る。過剰流動でバブルは膨らんだが、資金流動を法律で過剰に縛るのも好ましくない。ノンバンク批判に安易に同調していたが、過ぎたるは及ばざるがごとし、と今更気づいた。