本書は、40年以上にわたってショッパー・マーケティング調査をしてきた第一人者の著作、Inside the mind of shopperの翻訳本。
ショッパー・マーケティング調査とは、
・ショッパーへのヒアリング(何を買いに来たか?どうしてこのお店に来たか?など)
・小売店の店舗内でのショッパーの行動(お店の中をショッパーが動いた経路やスピード、所要時間)
・買い物履歴(購入商品点数や、商品種類、組み合わせ)
から、どのような品揃え、セグメント設計、什器設計、商品展示、店舗内POP、導線設計をすれば売上を伸ばせるか?を調査、研究すること。
興味深い調査結果・分析が満載だが、一例としては、
●調査の結果、ショッパーは「急ぎの買い物」、「買い足し」、「まとめ買い」の3つのタイプに部類でき、コストコのような大型倉庫型店でも、コンビニでも、「急ぎの買い物」の比率が一番多く、1回の買い物の最頻購入商品点数は、なんと1点。(なのに、店舗は通常、「まとめ買い」を想定して設計されている)
●「特売」は効果が上がっていない。(特売品を購入した人の半数はそれが特売品だと気づいていなかった。かつ、気づいていた人の中のさらに半分の人は、それが定価で売られていても購入しただろうと回答した。)
●一般的なスーパーは、3万〜5万のSKU(個別商品)を品ぞろえするが、一般的な家庭が年間に購入するのは300〜400SKU。(したがって、小売店は売れ筋商品で勝負すべき)
などがある。
小売に関わる人のショッパー(買い物客)についての「思い込み」を打破し、品揃えや棚割りについて新しいアイデアをもたらしてくれると思う。
私自身は、自分の仕事(Webの解析とアドバイス)に役立つのではないか?と期待して購入したが。大当たり(ウェブの解析にも使えるヒントがたくさんあった)だったのと、リアルもこれだけ調査しているのだから、ウェブ解析も、もっともっと多面的に解析すればオンラインショップの効率アップとお客様満足度の向上に貢献できるはず。と刺激を受けた。
お勧めは、
・小売店(デパート、スーパー、コンビニから、個人商店まで)の店長・店主
・スーパーやコンビニの店舗設計責任者
・店頭マーケティングを提案する広告代理店の人
・ECサイト運営者(マーチャンダイザー、マーケター)
・Webデザイナー
・(広い意味での)Web調査(Web解析、ユーザビリティスタディ、ヒューリスティック調査)に関わる人
です。
訳も非常にこなれていて、翻訳にありがちな読みづらさはまったく感じなかった。