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29 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
同時存在のかねあい,
By
レビュー対象商品: 「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 (単行本)
作者ご本人の手による逆翻訳バージョン『レーダーホーゼン』もさることながら、それぞれの作品が少しずつ手直しされているので、長年の読者としては手持ちの既刊を片手に、比較して読むのがなにより楽しかった。―――『パン屋再襲撃』の最後や、『カンガルー通信』の文体、『四月―』の加筆や『納屋を焼く』のモラリティーに関する記述等々、加筆修正分に実に納得。逆説的に、手直し前の作品のある種の「若さ」も感じられて、それはそれでまたいいなぁ、と納得。ところで「そんな短編あったっけ?」と、実は発売前から思っていた『窓』が、改題された『バートバカラックはお好き?』だったことに、わたしは読んでみて初めて気がついたけれど、加筆修正された本書収録分は、まさに『窓』 、『窓』以外にありえない、と感じた。それぞれほんの少しの加筆だけれど、そこに20何年分の想いみたいなものを・・・。 そういえば、今は亡き中島らもさんが「自分の子供が幼いうちに20年落ちのジョークをしかける」というような話をどこかで書いていた。少し違う気はするけれど、「20年落ち」という点ではまさに落ちたような気分。 「短編?全部読んで知ってるよ」という方も、きっと楽しめます。もちろん村上作品は初めてという方はなおさらのこと。フィスケットジョンさん、いい短編集を作ってくださっています。海外で売れているのも納得。
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
短篇ベスト,
By ロジオン (熊本県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 (単行本)
本書はアメリカで編集・出版された短篇集の逆輸入版ですが、日本の読者にも人気が高い作品が収められており、そういった意味では、古くからの村上春樹ファンの方にも、また最近ファンになった方にとっても、是非所有しておきたい一冊ではないでしょうか。音楽の世界では、ベスト版の発売はよくあることですが、文芸の世界ではなかなかないので。「パン屋再襲撃」、「ファミリーアフェア」、「午後の最後の芝生」等、一般的に人気の高い作品もいいですが、個人的には、表題になっている「象の消滅」がお気に入りです。これを読んだ後の衝撃は、他のどの短篇をも上回るものでした。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
美味しいとこ取り!,
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 (単行本)
村上さんの書いた最初の短編小説「中国行きのスロウ・ボート」、私の個人的に好みの作品「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」、村上さんの作品の英訳をさらに日本語へ翻訳した、村上短編の中でも私が最も異色と考える作品「レーダーホーゼン」、結構なターニングポイントになったであろう作品「ファミリー・アフェア」、個人主義者からしか見出せない当然の恐怖を描いた(これが中高生の集中読書テキストになってしまうのもどうかと思いますが...)作品「沈黙」、非情に恐ろしい作品「眠り」、恐らく最も多くの方に好まれる作品「午後の最後の芝生」...とてもお買い得な、村上短編作品の美味しいところ取りと言える短編集です。この中に一つも良いと思う短編が無い人は今後も村上作品には縁の無い人であろうと断定できます。ま、もともと好き嫌いのはっきり分かれる方ですけれど。
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