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この本は「谷根千」を1984年に発刊したあとの七年間の記録である。育ち盛りの子供を持った主婦たち三人が、一つの地域雑誌を一万部発行まで育て上げ、なおかつ、様々な運動に関わっていった経緯が書かれてある。
今回改めて「谷根千」バックナンバーを引っ張り出して読んでみた。聞き書き中心の「足で書く」文章である事、広告収入に頼らないもの申す事には堂々ともの申す「志高い」雑誌である事を再確認した。この作品は、そういう雑誌はどのように作られるのか、そして自分の住んでいる地域とどう向かい合うのか、読み方によっていろいろなアプローチの仕方がある興味深い本だと思う。
素人の主婦とはいえ出版関係に身をおいている人間が集まり(ノウハウが皆無ではない)、事蹟の集積に事欠かない奥行きのある地域を掘り起こす雑誌作りである、これで成功しないわけがない。谷根千地域の魅力、そして取材対象の人々の魅力を的確に引き出し、読んでいて心地がよい。
この種の本は懐古趣味に走りがちではあるが、本書の発行は中曽根民活の時代。要するにバブルの真っ最中。谷根千地域も地上げの渦中にあった。そうした!時代への批判の目もあり、引き締まった仕上がりになっている。
本書を読み改めて都市の有機性とは何か、について考えさせられた。
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