本書は「CSR」「コンプライアンス」「ビジネスエシックス」の分野で第一人者と言われる麗澤大学高(たか)教授(同大学企業倫理研究センター長)が、最近までの研究及び経験を纏めたものである。
表題だけを見ると精神論的な印象を受けるかもしれないが、その内容は極めて今日的であり、頻発する企業不祥事や一部の拝金主義的な風潮を見ると、企業として一本筋の通ったプリンシプル「誠実さ」の重要性と、それに対する社会の認識水準の向上の必要性を共に感じる。
日本も徐々に「契約社会」になりつつあるのかもしれないが、日本の社会において「契約」に比して「信認」(信頼)が非常に重い意味を持っているという記述は、「プロ」の定義と共に改めて再認識させられる。
単に法律に違反すると社会的に制裁を受ける度合いが従来に増して格段に高まって来たという程度の認識ではなく、社会と企業の関係はどうあるべきなのか、という根源的な問いに対する答えを持たなければ企業経営は成り立たない、ということを感じさせてくれる。企業経営者は勿論、CSRや企業倫理という分野に関心を持つ方には非常に参考になる書である。