本書は、有機化学博士の著者が、親切な行動が健康や充実した人生にもた
らす効果や効能を分かりやすく提示した本である。
親切な行動をした際に感じられる、あのジワ〜っとした温かく心地よい感
覚。あれは、幸せ物質のオキシトシンが分泌されて起こるものであるとい
う。もちろん親切な行動は人間的な魅力につながるものだが、このオキシ
トシンが分泌されることによって、人への親近感や信頼感がまし、ストレ
スが軽減されうつ症状の予防につながり、血圧の上昇も抑え、心臓の機能
を高め、長寿になるといった健康上の様々な効能もあるという。
本書では、こういった効能を医学的見地から研究成果を紹介しながら、最
後には、子育てにおけるオキシトシンの効果、「今あるもの」に目を向け
て感謝することの重要性も書かれている。そして、最後には実践と称して、
親切の3週間運動、1日3回親切運動、40の親切行動が紹介されている。
親切な行動が健康にいいことは、とりもなおさず、親切な行動がもともと
遺伝子レベルに刻み込まれている証左であるという著者の主張は、私たち
の生き方を見直させてくれ、これからの生き方に大きな指針を与えてくれ
るものである。本書における著者の主張のポイントも一貫していて分かり
やすい。また、翻訳本にありがちな分かりにくい日本語ではなく、非常に
読みやすい日本語で訳されており、短時間で読破できる本である。