いつもながら池上氏の著者はわかりやすくとっつきやすいです。経済の話でありながら中高生でも問題なくさらっと読めるであろう構成で、経済に疎い社会人にも安心してお勧めできる良書です。
経済の見えざる手を、資本主義および社会主義を引き合いに解説していますがそれだけでなく市場経済の苦手分野についてもきちんと解説してくれています。たとえば治安を守ること、平等な教育などは政府が責任を持ってあたる仕事であるとし必要最低限の保障は国が実施するというバランスが大切であると説いています。
市場経済を万能視せず、逆に敵視もしないバランスの良さ。人々の努力を最大限に引き出すための「資源の最適配分」が経済学の課題でありその再配分をどう設計すればよいのかは政治にかかっています。池上氏らしく、最後は「その政治家を選ぶのはあなたなのです」と政治の話で締めくくられています。巻末には豊富な参考文献も提示され、いつもながら至れり尽くせりの手抜きのない1冊となっています。