タイトルと収録曲からも判る通り、本作は「西部警察」本編パートを締めくくる裕ちゃんの歌をメインとしている。
メインテーマ、ワンダフル・ガイズ、スーバーチェイサー、パトカー・コンボイは「西部警察ミュージックファイル」にも収録されており、取分けテーマ曲二曲に関してはSEを排除したリマスタリング、メインテーマに至ってはこれまでどのサントラにも入っていた「エレキギターによる主メロディ」をカットした完全版が「ミュージックファイル」に入っているので、本作はあくまで「石原裕次郎」を堪能する為の作品と位置づけられるだろう。
エンディングでない曲も劇中で使用されていて、いずれも名曲だ。
西部警察と共に小学生時代を過ごした私にとって、裕ちゃんは勿論のこと大門軍団全員がヒーローであり、そして時を重ねた今改めて曲を聴くと、これらの歌と西部警察、そして石原裕次郎と言う関係が密接に繋がっている事が判る。
例えば初代の「みんな誰かを愛してる」は生きる事に対して極めて肯定的である。
一方で最終クールを飾った「嘆きのメロディ」では、非常に強く「死」を意識していると感じられる。
その根拠はこの歌の中のフレーズ
「終わり無い旅の終着駅」
だ。
旅は人生の暗喩としてよく用いられる。"終わり無い"と言う言葉が更に旅=人生の印象を強くさせる。
その終着駅が意味するものとなると、やはり「人生の終わり」が連想される。
他の三曲を聴いても愛と男の友情が感じられるが、一方で込められているのは「孤独」である。
人はいつか死ぬ。そして死ぬ時は独りである。
タツ、ジン、リキ、ゲンさん、オキが命を絶った。そして団長の死によって西部警察の幕は閉じられた。
そして石原裕次郎自身も数年後にこの世を去って行った。
本作に収められた曲は死に行く運命にある全ての人々への鎮魂歌であり、そしてまたその瞬間までを生きる全ての人々への人生賛歌なのだ。