楽天やユニクロが相次いで、社内英語公用語化を発表し、直近では
武田薬品が新卒採用にTOEICテストで730点以上の取得を義務付けた。
英語への傾倒、加熱ぶりは、ビジネス、英語教育を問わず、著者が
以前から憂え指摘していた以上のものといってもいいだろう。
本書は、タイトルでは「英語公用語」が入っているが、こういった
英語公用語化への記述ばかりではなく、全体的には、グローバル化
という名の下の、現在の英語傾倒や、英語教育への加熱ぶりを冷静
に指摘し、ご自身の主張を、引用を踏まえながら述べたものが中心
となっている。
具体的には、英語という一言語の台頭の背後にある事実や危険性や
言語観の変化、ビジネスパーソンにとっての英語、仕事で使える英語、
リーダーの英語、英語教育等々について、当たり前のことを、冷静
に、世に伝えているスタンスである。
ビジネス現場で英語の必要性を切実に感じていらっしゃる方には、
悠長なことに聞こえるものもあるかもしれないが、主張されている
内容は論が通っており、中庸的であり、実に自然なことである。
また、著者ご自身も、英語を通訳等の現場で使っていらっしゃった
経験があり、その意味では、「ビジネス現場の英語」である。
英語のプロであり達人である著者のような方の主張と、他の英語を
現場で使っている方の主張を突き合わせ、国益につながる道筋を
作っていく必要を感じる。その意味でも、意義ある本である。