本著は私の(軍事視点皆無ゆえの)夜郎自大な「日本のロボット技術は世界の最先端」
という幻想を粉砕し、その周回遅れを暴くものであった。
内容は軍事だけでなく、経済やビジネスの機微に触れるものが多いので
ユニークネスなアイディアとして面白い。
※「日本は1945年の敗戦から現在に至るまで、国防(安全保障)
と(結果、必然として)外交を米国に丸投げしている属国である。」
この認識は、先の太田述正氏との共著「属国の防衛革命」以来、
読者に求められる大前提である。
この「現在日本の世界に例が無い特殊事情」が得心できないと、
本著の、なぜ今軍事ハイテクに投資することが少子高齢化の
日本に必要なのか?を誤読する恐れがあることを先に指摘しておきたい。
著者が「移民が日本を救う」論は大嘘であると攻撃しているのも、
「属国」状態の現在日本で語られる論が国家と企業を混同したような、
安全保障視点ゼロの軽薄なものばかりだからである。
少し引用してみよう。
<企業の「経営」と国家の「経済」はぜんぜん別>
<日本の近隣には「近代国家」がありません。(中略)周辺国の国民と
政府のあいだには伝統的に信頼関係がないのです。人民が人民を
幸せにする国家のために「国防の義務」を負うという近代的合意が
ありません>
以上を踏まえた上でぜひ、ご一読を。
最後に直近の半公式サイトで著者はこう述べている。
「移民はストを打ち、賃上げを要求し、諸手当を要求し、
生活保護と老齢年金を要求し、日本社会に、さらなる負荷をかけるだけです。
ロボットは、何も要求しません。」