20年前までは世の大衆は博報堂や電通の思いのままだった。マスメディアを操る広告代理店は、マス・塊としての消費者に向かってCMを垂れ流した。企業は、こんな良い物ができましたと広告代理店を通して欲望の塊に対して一方的なメッセージを流せばよかった。
だが、そんな時代は終わった。様々な原因による共同体意識の低下、個人の情報発信力の増大が起き、広告代理店やマスメディアは危機に陥っている。個々人がケータイやソーシャルメディアでつながる時代がやってきたのだ。
情報化社会とは、メッセージとしての情報が氾濫しすぎているため、受け取り手がその情報をスルーする、無視する。或いは、溜める、好きなときに受信する。
この時代にあって、広告代理店は生き残りに必死である。広告主がその効果を厳しく査定する。役に立たないマーケティングは仕分け対象である。プロモーションの道具でありながら、広告主も大衆も見下していたツケがまわってきたのだ。
この本はそんな時代の流れを様々な例えや事例を使って分かりやすく説明している。消費者ではなく、時と場合により役割を変える個人がゆるーく繋がる人々をどのように「動かして」目的の商品を選択してもらうか。人は動く、と言いながら、どうしても人を動かそうとする組織による、新しい時代への対応マニュアルである。
さらっと目を通しても良いかもしれない。