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5つ星のうち 1.0
「ニセ科学」蔓延社会,
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レビュー対象商品: 「脳力」低下社会 (単行本(ソフトカバー))
基本的にはこれまでの書の焼き直しと言って良い。相変わらず、独自に作った機械を使って計測したというα波とβ波の割合で、前野前野が活動しているか調べた、と言う論文すら書かれていないものを書き連ねているだけである。 これまでの著書と違うのは、これまでと比べれば被験者について語っていること(とは言え、全く足りないが)。歴史上の人物の怪しげなエピソードを都合よく使っていないこと。本筋に関係のない自分の行っている調査を延々語っていること。著者自身も関わっている「親学」の推奨を行っていることだろうか。 著者の理論の問題点については、これまでの著書で散々指摘されているのだが、本書ではこれまでの「ゲーム脳になると認知症と同じである」と言う表現がなくなり(物忘れしやすくなる、とはいう)替わりに、「キレる子供の原因」「学力低下の原因」を強調する。ある意味では、論旨が変わっている。 そもそも、本書の前提となっている少年犯罪凶悪化、荒れる子供というもの自体が根拠の薄いものである。本書で示される統計的なデータは、文科省による「校内暴力件数」だけであるが、この調査は各都道府県ごとに数十倍の格差がある、という精度に問題のあるものである。そして、その「荒れる子供」の原因とし、親学推奨の前提にする家庭教育力低下にも疑問は多い(これについては、広田照幸氏らの著書を読むことをお勧めする)。 つまり「相変わらずの内容」である。 こういう風に書くと、「ゲーム好きが擁護しているだけ」と言われるかも知れないが、この論は未だに論文すら書かれていないニセ科学である。 このようなニセ科学の蔓延は、科学教育の否定になるだけでなく、脳科学に対する信頼すらも破壊する。結果、まっとうな研究によってゲームの悪影響が発見されても、狼少年の童話のように、それが浸透することを阻害してしまうことになる。 ゲームの悪影響を心配する方こそ、批判的に読んでいただきたいと思う。
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