書店の棚では、いわゆる美容本のコーナーに並べられるのだろうが、それらとはひとあじもふたあじも違う。容姿が人間の生活にとってどのような意味をもっているかという考察から出発し、生きかたの戦術として「自分の容姿をコントロール」することへと橋わたしされる。美容・コスメ業界のイメージ偏重の訴求手法が大量の「美容難民」を生んでいる、という指摘は実に刺激的だ。難民状態を脱出するには、正しい知識と、かくありたいという意思とをもたなければならない。それが「美の知力」である。ここでいう「美」とは「かわいい」とか「かっこいい」とか「モテる」といった水準の話ではなく、深い自己探求に裏づけられた「美意識」としてイメージされている。