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「絶対」の探求 (岩波文庫)
 
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「絶対」の探求 (岩波文庫) [文庫]

バルザック , Honor´e De Balzac , 水野 亮
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

科学上の巨大な難問、万物に共通する物質「絶対」の研究に打ちこむバルタザールは探求のはてに「ユーレカ(見つけたぞ)!」と叫んでむなしく息たえる。情熱に憑かれた人間の偉大と悲惨、「絶対」という観念のもたらす恐しい力を、フランス王政復古期の一地方都市を舞台に、旺盛な筆力と緊密な構成で見事に描ききった名作。

登録情報

  • 文庫: 367ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改訳〔〕版 (1978/04)
  • ISBN-10: 400325306X
  • ISBN-13: 978-4003253069
  • 発売日: 1978/04
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
バルザックの作品の中ではあまり有名でないものの
意外に面白い。
ものに相対して没頭してのめりこむ人は
この悲劇を一度は読んで
一回くらいは自分を振り返るのもいいのかもしれない。
やさしい心を持ちながらも、絶対というものの魔力にとりつかれ
それを追い求めずにはいられないものの悲劇。
魔力により周りのさまざまなものを失っていき
ついぞは自らも失ってしまう。
そんな絶対はしかしながらいつの時代も魔力をもって
人をひきよせる。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 『リーマン博士の大予想』を著名なノンフィクションライターがこの小説に擬えていた。数学に見放されて久しいので、いわば第二志望と思って読んだところが・・・!
 本人に自覚があろうがなかろうが、作者は人の心のツボを熟知した人だった。描かれるのは「天才」というか天災のような男と、巻き込まれた人々の悲劇なのに、怒りの拳を握りつつ、噴き出すほど笑うこと数度。作品が巧まずしておおらかなせいだろうか。それとも自分の身内に「天才」がいないからか。実際、「天才」やそれに振り回されている人なら、共感で泣いてしまうのだろうか。
 ともかく、この「天才」は懲りない。かつて優美で細やかな愛情を見せていた彼の姿は、徐々におぞましさと哀れさを帯びる。また、それによって物語の後半は微妙なサスペンスとなり、ページを繰る手が速まる。「えっ?!」連発の末、ラストは・・・。
 加えて、冒頭のフランドル考察はフェルメール(17世紀オランダの画家)の室内画などを想起すれば、すっと納得できるし、うっかりこちらの物見高さを指摘されて、ぎくっとする部分もある。
 現在、古書でしか手に入らない状況が惜しい。内容は若い読者にも十分楽しめるだろう。読めない漢字があれば、御祖父さん、御祖母さんに聞いたり、やむを得ず飛ばしても、前後から意味はわかるのでご心配なく。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 周知の通り、化学chemistryはその語源をアラビア語で錬金術を意味することばal kimieに
持つ。十字軍遠征の後、ヨーロッパへと持ち込まれたこの中東の叡智はやがて化学として
花開くこととなる。

 それは化学か、錬金術か、魔術とも、科学ともつかぬ、「絶対」の探求に魅入られた男
バルタザールの生涯を辿る本作品。
 この「絶対」を前にしては、富も名誉も、果ては妻子の愛や幸福さえも、所詮は取るに
足らぬもの――19世紀のフランドルを舞台に、「絶対」に翻弄される数奇な運命の軌跡を
バルザックの華麗な文体で描き出した傑作。

 孤高の知性を主題にすることにおいて、まず何よりも参照されるべきはセルバンテスの
ドン・キホーテ』。

「賢者の石」をめぐる壮大な知の歩みである錬金術を単なる贋金作りと誤解することなかれ。
 例えば精神分析学者カール・グスタフ・ユンクの研究によって知られる通り、
錬金術は的確にして豊かな想像力の宝庫。
 この神秘の世界を覗き見れば、本小説はなおいっそうの奥行きを増す。
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