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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本にある信者のいない教会、その実態が語るもの,
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レビュー対象商品: 「結婚式教会」の誕生 (単行本)
結婚式教会という建築物のカテゴリーがあるというのを改めて知った。そこには信者は不在で、結婚する新郎新婦がセレブな雰囲気だけを追求し、写真撮影で栄えれば良い空間らしい。日本人の無思想性、無定見さを象徴した建築物で恐れ入る、としか言いようがない。欧米の知人・友人に話すとかなり馬鹿にされそうだ。建築物としての結婚式教会の実情を日本、特に関東から西の地域、東海地方から中国地方を中心に隈なく調査してある。カトリック教会での挙式の実態、プロテスタントの教会の実態などをも踏まえて、無宗教のヴァーチャル建築物がどうのように要求され、建築されたかを丹念に腑分けする。読んでいて、なんともやりきれない気分だった。分析に動員される諸学は、建築史、民族学、文化人類学、宗教学、キリスト教学などだ。本書は建築カテゴリーとしても一応のステータスを確立しているが、著者が指摘するとおり何時まで流行るのか、まったく予想がつかない。建築と社会という問題構成で、人間の営みを再構成した社会学でもある本書は、おぞましさのみならず思想以前の「知」のあり方自体を鋭く突き詰めているのかもしれない。見方によれば、日本人論としても快挙かもしれない、と思うのは誇張だろうか。
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ウエディングチャペルもうでが癖になりそう,
By よもぎ姫 (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「結婚式教会」の誕生 (単行本)
ウエディングチャペルは、ヨーロッパの教会にくらべてチープだけど、どこかあたたかみもある。見るからに不思議な建築だなあと思っていたら、ちゃんとアカデミックに分析している本が出ていました。この本は、建築の様式だけではなくて、日本人の西欧コンプレックスや、セクシュアリティや結婚観、歴史背景を丁寧におさえているます。茶化したりバカにしていないところが好感もてました。結婚式教会探訪がくせになりそうです。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
日本人の宗教観が垣間見えてくる,
By Fumi (アメリカ) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「結婚式教会」の誕生 (単行本)
「結婚式教会」というのは著者の造語で、いわゆる伝道や信者の集う場所としては機能しておらず、非信者の結婚式だけを行う「教会(チャペルと呼ばれたり、大きい建物は大聖堂と呼ばれたりもする)」のことです。つまり、教会と呼ばれつつ、本当の意味では教会でない(不動産上の分類では、商業施設に含まれるとか)場所です。この本の著者は建築史が専門で、ともすると細かい建築の様式や歴史など、建築については門外漢の私にはややこし過ぎる内容に立ち入りすぎるきらいがあるものの、その切り口はとても斬新に感じられました。そして、結婚式の歴史や宗教との関連についても(十分ではないですが)カバーしていて、多面的に「結婚式教会」について考察しているのが良かったです。特に、いわゆる信者が集う空間としての教会と、結婚式教会を対比しているのがとても分かりやすく、興味深かったです。建築のみならず、日本人の宗教観や結婚観に関心のある方にもお勧めの1冊です。
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