日本抗加齢医学会評議員の久保明先生の最新刊。
今流行のAGE(糖化最終生成物)を中心に据えて論を起こしている。
・食後1時間の血糖値で寿命が決まる。
・「糖とどうつき合っていくか」が人間の一生の長さを決定付けるカギ。
・糖という存在の大きさにしっかりと目を向けるべき。
・老化は誰にも止められない。しかし
流れのスピードをゆっくりにしたり、一時的に流れに逆らって進んだりする事は充分に可能。
この辺のコンセプトはなかなかよい。
2大天才(釜池・伊藤)が説く、スローエイジング・メタボエイジングにも通じる考え方である。
但し、第3章が戴けない。
「糖化を防げ」と言いながら、糖質制限食大批判の章になっているのだ。
先生は糖質制限を長く続けていると「骨随の機能低下」を招くという(84p)。
血管内皮前駆細胞が出なくなって、動脈硬化が進むとのお説である。
でも、私はそんな論文は未だかつて見た事有りませんな。
もしそうなら、バーンスタイン博士も釜池先生も今頃お元気な筈がない。
久保先生は更に、低炭水化物食では中性脂肪や(悪玉)コレステロールが高くなったというデータも出ていると主張する(85p)。
驚きである。
不勉強にして私はこんな論文も今まで見た事が無い。
むしろ今まで読んだ論文は全てその逆なのだ。
低炭水化物食では中性脂肪は低下し、HDL-コレステロール(善玉)は高くなるのである。
つまり低炭水化物食では動脈硬化にはよい方向(抗動脈硬化)に動くので有る。
確かに時々、米国糖尿病協会の医学雑誌Diabetesなんかに批判論文が出たりするが、
これは江部先生がいう「スポンサー論文」であろう。
英国砂糖局(SUGAR BUREAU U.K.)なんかがスポンサーになっており、怪しいったらありゃしない。
そして極め付けが、79pに載っている久保先生監修のGI食品表である。
ここには牛肉・豚肉・鷄肉が低GI食品に入っている。
笑止千万である。
そもそもGIとは炭水化物が高い食品のものなのだ。
肉にGIはない、概念的にそうだ。
もしこんなのを認めれば、一体何Kgお肉を食べればいいのでしょうかって話になる。
星はおまけして3つ。
釜池先生・江部先生の作品群と併せて読まれる事をお勧めする。