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最も参考になったカスタマーレビュー
28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
数少ない、確かな眼の経済評論,
By
レビュー対象商品: 「節度の経済学」の時代―階層化社会に抗して (朝日文庫) (文庫)
様々な媒体への原稿・インタビュー・講演を集めたものなので、いくつかはかぶる分が出てくるが、全体の中身を薄めてはいない。著者の指摘するように北欧型の食料・エネルギー・ケアを自給自足し、人間を主体とした経済の再生によってしか世界の経済はいずれ立ち行かなくあるであろう。規制緩和をし、自己責任を企業に押し付け、雪印のような犠牲者が出て初めて事後チェックが機能するような社会を、我々は本当に良しとしているのか?犠牲者となりうる我々は、そのコストとしてカウントされ打ち捨てられていく。 英米でさえ再規制化が進んでいるにもかかわらず、物価の安さと引き換えに賃金も削られて黙々と自殺に走る前に、市民社会的規制の再構築を!と叫ばずにはいられない。
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
それでも市場競争原理主義の社会で暮らしたいですか?,
By 一木一草庵 (長野県小諸) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「節度の経済学」の時代―階層化社会に抗して (朝日文庫) (文庫)
グローバリゼーションを「利が利を生むことによって至上とするマネー」による暴力とする視点から、市場競争原理主義の問題点を掘り下げていく。 その利益の源泉はそれぞれの国を隔てる経済的発展段階の相違に由来する「格差」にある という指摘は、現在国内においてさまざまに現れている「格差」にも言えることであり、 「格差」が「格差」を生む構造を持つ市場競争原理主義は是正されねばならない。 分断、対立、競争を基調とする「競争セクター」から、連帯、信頼、協同を基調とする 「共生セクター」への移行を薦める本書は、雑誌や新聞の再録という性格上、繰り返しが多く いささか冗長で緩慢なきらいはあるが、重要な視点をいくつも含んでおり一読の価値はある。 たとえば、「日本製アジア製品」の猛烈な攻勢が「高度失業化社会」への引き金をまず地方で 引いているとする点。日本資本のアジア進出が日本への低コスト品の「逆輸入」に主眼を おいているのは事実であり、何のことはないわれわれは自分で自分の首を絞めていることに 気づかされる。 著者の目指す経済の再生とは 1.自らの「働きに相応する報酬」をきちんと手にできる経済 2.それを保障する社会的制度の実現 3.それを担保するに足るほどほどの成長 を意味しており、実に真っ当であたりまえなのだが、その真っ当さを欠いた社会にわれわれが 生きていることを片時も忘れてはならないと思う。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
人間性の回復,
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レビュー対象商品: 「節度の経済学」の時代―階層化社会に抗して (朝日文庫) (文庫)
内橋克人氏は,北欧経済社会を参照できる希有な経済評論家だ.経済評論家といえば,市場原理主義を肯定したうえでの処世訓を述べたり,生き残る術を提示したり,社会経済の変化を予測したりすることが多いが,内橋氏は,以前から一貫して冷静に経済の本質を見抜き,市場原理主義者に対抗して議論を展開してきた論客の代表であると思う.この書籍は,これまでに氏が新聞などで発表してきた対市場原理主義の主張を集めたもので,非常に貴重で有益だ.ここに集められた主張,分析をあらためて顧みると,そこで懸念されていたことがいま現実となっていることに驚かされる.たとえば,未曾有の経済危機を予見していたというただ1点を挙げるだけで,その先見性,論考の正しさ,真理を十分伝えることが出来るだろう.そうした意味で,この本は一読どころか熟読の価値がある.とくに政治家,官僚,企業人に読んでほしい.ただ,書名がちょっと地味だ.21世紀の経済学とか,人間のための経済学の時代とか,持続可能な経済学などのほうが良かったのではないか.
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