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「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))
 
 

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3)) [文庫]

山本 七平
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (43件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 237ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1983/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4167306034
  • ISBN-13: 978-4167306038
  • 発売日: 1983/10
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (43件のカスタマーレビュー)
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「空気」 2004/4/12
形式:文庫
日頃よく私たち日本人は「空気読めよ」なんて言ってるんだけど、じゃあその「空気」って何?あんた日本が戦争やバブルでこれだけだめになったのはその「空気」のせいなんだぜ。そのことわかってんの?って山本先生は語りかけてきて、私の頭に革命をもたらします

過去を振り返ってみるにいかに「空気」のせいで日本が失敗したか。空気作りのメカニズム 「空気」に対抗する唯一の手段「水を差す」などについてわかります

これはあくまでもさくっと読めて楽しい、などという類の本ではありません。読んだあと、憂鬱で不安な気分になり「自分は今まで間違っていたのではないか」という思いで1時間ぐらいは頭を抱えてしまうことは間違いありません。岸田秀の「ものぐさ精神分析」の精神分裂病理論、土井健郎「甘えの構造」に並ぶ優れた日本人論です

この本を読むと「空気」という言葉が使えなくなります。「空気読んでかないと」という言葉が浮かんできてもぐっと飲み込んだりします
日常の会話やテレビなどで「空気」という言葉がやたら気になりだします

さてどうすればいいのでしょうか?「空気」という言葉の怖さを知りつつも、「空気」を読まないことには社会の中では生きていけないのが現状です。

このことに対する結論はわかりませんし、山本先生も「こうすればいい」というような解決策を教えてはくれません。しかし、この本を読めば読んだ人の頭が数倍はよくなり、日本と世界の見方が変わることは間違いありません。しかしそれはよいことなのか・・・。そんなことは知らずに安易に「空気読めよ」なんていいながら生活していたほうが幸せなのではないか・・・私にはなんとも言えませんが、とにかくこの本は読んだ人に大きな波紋を呼ぶ問題作であることは間違いありません

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29 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
KYよりはるか昔、1975年に『空気』を論じた本である。
著者は「『空気』とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である」と言う。

この『空気』と言う言葉はいつごろから存在したのか、戦中も
『とても,大和の出撃を止められる『空気』ではなかった」と,当時の将校が発言している。
『気配』とか『雰囲気』のことだろうから、英語なら indicationとかsituationとかatmosphere
を使い分けるところだろう。

1980年代は『空気』が影を潜めていたような気がする。空気なんか読まなくても、
それより人とは違うことをしようと言う『空気』だった(笑)
その後、空気が読めないやつが軽蔑されるようになったのは,テレビのバラエティ番組のせいだった。
でもそれは,バラエティ番組的な,笑いのプロに要求される能力で、
素人がそんな能力を持っては、プロが飯の食い上げになる能力だった。

今,みんなが『空気』が読めなければならないのは,やはり変である。
一色は良くない。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Utah
形式:文庫
 「虜人日記」を紹介した、15年戦争の戦場経験者の著者が「クウキ」「水」を研究してます。タモリが「笑ってる場合ですよ」で再び表舞台に出したクウキは、明治の文明開化や戦後民主主義でも、上からの改革である以上、それを克服できなかったことを認識しました。出てくる例を古く感じるところに歴史の無い日本を再確認することも。まずは相対化/認識が、クウキの支配からできるだけ脱却するコツです。

小生の印象に残った点は以下です。
・「クウキ」とは臨場感(今・ココ)/偶像崇拝(視覚)/アニミズム(原始宗教)/物神論から来ている。ただし、「水を差される」と止まる。モノに感情移入してしまうと、それを客観視できなくなるのが、家族主義/一元的価値観の元。欧米はキリスト教が家族主義とは別の2軸目の価値観になっている。
・「水を差す」のは、通常性に基づく情況倫理。キリスト教のような普遍倫理ではなく、現状肯定のためにゴムのように伸縮してゆがむ。このゆがみを保たせるために情報統制し、ひいては鎖国することになる。よって、「水を差す」ことは、より大きな「クウキ」を超えられない。「水」は全てのプリンシプルを腐らせて分解してしまう酵素のようなもの。このように、日本の風土には「クウキ」を制御する機構がなく、暴走して必ず破綻する。戦艦大和出撃も「クウキ」の為せる技。
・天皇家は明治初期までは仏教で、仏壇/位牌があった。天皇は、「水を差す」ゴム倫理を支える便宜的な1支点に過ぎない。教育勅語/真影が偶像として使われた。天皇が人権宣言したり、 2.26事件加害者を非難したりするのは、「仏像が口をきいた位」に驚かれた。
・三菱重工爆破事件等で周りの人は怪我人を見ていただけ。ムラ人である三菱関係者だけが介護に当たっていた。(ムラの外の人は人間ではない)
・「〜問題」と名が付くものは、クウキが関係している。
・歌舞伎の女形に「あれは男だ」と言った観客は追い出される。事実を言わないことが、父子関係(家族主義)の中核。
・日本には本当の自由がない。「水を差す」自由と勘違いされている。戦前の敵は、社会主義者/共産主義者ではなかった。自由主義者が、戦前のみならず戦後も日本の風土の敵。本当のことを言う人は非国民。日本の風土は無責任が信条。
・日本には歴史がない。「水を差す」支点を取り替えているだけで、和魂洋才の文明開化や憲法の戦後民主主義も、ただの上位下達の「クウキ」の転向でしかなく、戦前のファシズム信奉と変わりがない。科学/法律に基づく対話が日本には存在しない。
・「クウキ」「水」は、頭(mind)ではなく、潜在意識/心に潜む反射反応レベル。この仕組み/アーキテクチャに気付かない限り、「クウキ」 /「水」の支配からは逃れられない。

 単行本は1977年発刊ですが、その後の「クウキ」の復権を見事に予言してます。「日本は再び滅びる」ということも。「水臭い」「水に流す」という言葉で「水」が、直線時間感覚の無さ(忘年会!)から来るのではないかと思ってましたが、「水を差す」という言葉には気付いてませんでした。「日本の神様」/神道/「〜道」(含:相撲)と関係した、日本のヤクザな風土に、戦場で酷い目に遭わされた著者ならではの渾身の一冊だと思います。透明性/アカウンタビリティ(主体性)/反証可能性、あるいはダイバーシティ/ワーク・ライフバランスという基盤が日本にも必要です。
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