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「科学的思考」のレッスン―学校で教えてくれないサイエンス (NHK出版新書)
 
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「科学的思考」のレッスン―学校で教えてくれないサイエンス (NHK出版新書) [新書]

戸田山 和久
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ニセ科学にだまされないために
そして、科学を正しく批判するために

良い理論と悪い理論ってどこが違う? 「実験」「観察」って何をすること? 科学のあり方をきちんと判断するにはどうしたらいいの? ニュートンから相対性理論、ニュートリノまで、興味津々の事例から科学的な考え方の本質を明らかにし、原発や生命科学など日常に大きな影響を与えるトピックをもとに、リスクとの向き合い方を考える。

内容(「BOOK」データベースより)

「良い理論」と「悪い理論」ってどこが違う?「実験」「観察」って何をすること?科学のあり方をきちんと判断するにはどうしたらいいの?ニュートンから相対性理論、ニュートリノまで、興味津々の事例から科学的な考え方の本質を軽妙に説き、原発や生命科学など日常に大きな影響を与えるトピックをもとに、リスクとの向き合い方を考える。速攻で「科学アタマ」をつくる究極の入門書。

登録情報

  • 新書: 304ページ
  • 出版社: NHK出版 (2011/11/8)
  • ISBN-10: 4140883650
  • ISBN-13: 978-4140883655
  • 発売日: 2011/11/8
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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By 懸垂百回 トップ500レビュアー
市民としての科学リテラシーを身につけることを目指した本。「科学リテラシー」とは,(自然)科学に関する情報の真偽や有用性を選別し,自分の意見を形成して議論に参加できる能力のこと。この能力を専門家が有するのは当然だが,非専門家(市民)が科学リテラシーを身につけることにも独自の意義がある,というのが本書の主張である。

科学の議論をするためには,科学の方法論を知る必要がある。本書は2部構成だが,第1部ではこの「科学的思考とは何か」についての基礎的な説明がなされている。一般にこの種の議論は,疑似科学を批判したり,科学と非科学を区別したりする文脈で行われることが多いようで,本書もその延長線上にある。だから疑似科学関連の解説書を読んでいる人にとっては有名なトピックも多く紹介されている。しかしたとえば,

 ・なぜニュートンは偉いのか?(pp.58-)

といった問いかけなどは,科学という営みについて考える際の,簡潔にして的を射た問題提起であると思われる(ちなみに「万有引力を発見したから」というのは答えとして不十分)。仮説演繹法の説明(pp.104-)も分かりやすい。

本書の後半,第2部での著者の主張は,大枠としては

 1. 科学・技術(以下まとめて「科学」)では解決できない問題がある
 2. このような問題は,専門家だけに任せておけない
 3. だから,科学リテラシーをもった「市民」による専門家の統制が必要である
 4. したがって,専門家でない者も科学リテラシーを身につけた「市民」になるべき

ということになると思うが,よく考えるといろいろと突っ込みどころがある。たとえば「専門家に任せて失敗した例」として本書が挙げるのが,イギリスでのBSE問題だ(pp.206-207)。しかし仮にそうだとしても,だからといって「市民が統制していれば防げた問題だ」とまでは言い切れないだろう。「十分に」統制していれば防げたはずだと言うのならば,それは結果論とどう違うのだ,という議論になりかねない。

とはいえ第2部の分かりにくさについては,著者の能力というよりもむしろ問題自体の困難さに由来しているとみるべきで,読者に「立ち止まって考えさせる」という点では有益である。少なくとも,読者を意図的に誤解させるような不誠実な記述はみられない。このほか,主観的な感覚として排除されがちな「安心」という概念を,客観的・分析的に捉え直そうとする試みなどはとても興味深い(pp.253-260)。

本書は東日本大震災や原発事故を踏まえて書かれたものだ。類書としては,

 (1)『もうダマされないための「科学」講義
 (2)『科学的とはどういう意味か

などがある。(1)は複数の論者による共著。本書よりも実践的・発展的な話題を取り扱っている。ただし各章の出来には差がある。(2)は本書よりもやさしい内容の本で,エッセイ風に書かれたもの。本書第2部と重なる部分が多いが,問題への接近の仕方が独特で,本書が抱えてしまった問題を巧みに回避している。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「××説は科学的に証明されているのですか」という問いはあまり良くないが「××説の証拠はどんな物がありますか」という問いは良い。この違いを説明できなければ、本書から得られる物は多いと思う。普通の読者向けに科学とは何かをかなりかみ砕いて解説している。ただし「擬似科学」のようななじみがないとわかりづらい用語が説明なしに使われている。

しかし科学と社会の関係について述べた第二章は明らかに推敲不足で、つっこみどころがある。科学社会論を論じるためのケーススタディとして原発問題を選んだと思うのだが、著者の反原発なスタンスが反映されすぎている。でもそれらはきちんと区別するべきではないか。

個別の議論については一つだけ取り上げると、著者はデキる市民として、社会的な問題を専門家に丸投げせず自分で決めろと言う。しかし専門家を全く無視するのは現実的でない以上、どうしたらマズいのか、どこから丸投げになるのかはケースバイケースだし程度の問題だ。でも肝心の程度問題を全く議論していない。良い手本として取り上げられているのは、自分で顧客にアンケートを採った農家の話だ。でも「自分で決める」ってそういうことなの?自分で責任をとる、というのも響きは良いが、大きな社会問題を相手にするときは話は容易ではない。被災地がれきを受け入れるかどうかを、アンケートや多数決で決めることにしたらどうだろう。自分で決めた結果は自己責任だといわれれば、仮にがれきが安全であったとしても受け入れを拒否する人ばかりになるかもしれない。

このあたりの著者の議論は不十分であるだけでなく、第一部でいさめていたはずの不適切な二分法や過度の単純化に陥っていてとても残念。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
科学の本というと、具体的なサイエンスの知見を教えてくれるもの以外だと、「ニセ科学」や「メディアの問題な報道」を取り上げて批判的に検討したものか、ガチで科学哲学をやっている本か、のどちらかが多い。
だが、そうした本の内容から抜け落ちてしまっているのが「科学者はどのように考えているのか」といった内容である。
科学者ならば誰でも用いているが一般人は意外と知らない思考フレーム、こういったものを一般人であってもきちんと持つことが、市民の「科学を見る目」を養うことにつながる。
そして、そうした内容をきちんと扱ってくれているのが本書である。

理論と仮説の問題、説明の問題、仮説検証や理論同士のつながりの話といった、基本的な、だけど学校では教えてくれない「科学の見方」を、本書では丁寧に書いてくれている。
副題の「学校で教えてくれないサイエンス」というのはまさにその通りである。

これに近い内容は、これまでにも科学哲学の入門書のようなものにも出てはいるが、そうした本だと反実在論とかパラダイムシフトとかといった「基礎付け論(なぜそれは正当化されるか)」のタイプの議論が多くて、実際の科学者の実践とはかけ離れた内容に偏ってしまっていた。
だが本書は、そうした哲学的懐疑論に答えることを目的とはしていないので、ただ「どういうときに科学では認められるか」のレベルで書いてくれているので、より科学者が日常的に行う見方に近くなってくれている。

併せて、データの読み方やバーナム効果のような、メディア・リテラシーに近い内容も書かれているので、サイエンス・ニュースを見る上ではかなり役立つものだと思われる。

ただし、第1部の出来がとても素晴らしいのと比べると、第2部はいささか微妙な内容も多い気がする。
7章の「科学リテラシーの必要性」についてはいいが、8章で具体的に3・11以降の放射線の問題を扱い始めるといささか怪しさを覚える。
内容がデリケートで、かつ科学的な論争が続いているものも多く含まれるだけに、踏み込み過ぎの感は否めなかった。
(例えば本書ではECRRとICRPをかなり対等に扱っているように見えるが、主張やデータの精度を比べると、圧倒的にICRPの方が上だというのが普通の科学者の見方であろう。例えばhttp://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/damage.html#5 これは地球温暖化や創造説/進化論に見られる「とりあえず両論併記」の悪いパターンだと思われる)

8章と終章は微妙だが、それ以外は非常に素晴らしく「必要なのにありそうでなかった本」だと思われる。
非常におススメ
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