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最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
盗まれた名画群を1冊で観賞,
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レビュー対象商品: 「盗まれた世界の名画」美術館 (単行本)
世界中の美術館や蒐集家から盗まれた名画について書かれた本です。筆者のサイモン・フープトは、カナダの新聞「ザ・グローブ・アンド・メール」で美術と文化のコラムを担当している人とのこと。翻訳はフリーの編集者・翻訳家・著述家の内藤憲吾氏でした。時折、日本語訳の硬さが感じられましたが、美術関係の研究者も読むため、正確に訳すためには仕方がないのでしょう。 1990年に盗まれたフェルメールの「合奏」について10ページから紹介してあります。 ボストンのイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館にふたりの泥棒が押し入り、この名作以外にレンブラントの作品なども盗みました。それらは今なお発見されていないわけで、本書のキーワードのような事件であり作品でしょう。 オールカラーで、盗まれた絵画や過去に盗難にあった作品を眺めているだけでも値打がある内容だと思います。 第1章の「商品としての美術」ではサザビーズのオークションの発展ぶりとそれによる美術品の高騰について述べています。 第2章の「戦時下の窃盗」では、ナポレオンが持ち帰った財宝や、ヒトラーが略奪した芸術に述べています。スターリンによる大戦後ドイツ国内での略奪計画も興味を惹く事象でした。なお、65ページに盗まれ被害を受けたルーベンスの「タルクイニウスとルクレティア」が掲載してありますが、激しい傷跡に胸が痛みました。 第3章の「非凡な犯罪」では美術泥棒たちの手法や過去の犯罪歴が記してありました。ちょうど100年前にルーヴル美術館からダ・ヴィンチの「モナリザ」が盗まれた時の状況が書かれています。犯人の刑期が7か月の懲役というのが信じられません。 第4章の「行方不明の美術品を探す探偵たち」、第5章の「壁の空間」と興味深い記述が続きました。それぞれの絵画が掲載されているため、図版の役割も果たしてくれました。 付録の「行方不明の美術品展示室」こそ、本書のポイントでしょう。これだけの名画が行方不明のままなのですから。カラー図版ですのでよりその盗難が惜しまれます。「本書の事件以後の主な絵画盗難事件」も参考になることでしょう。
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