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「甘え」の構造
 
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「甘え」の構造 [単行本]

土居 健郎
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

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   「甘え」は日本人の日常生活にしばしば見られる感情だが、著者は外国にはそれに対応する適切な語彙がないことに気づいた。そんな自身のカルチャーショックから洞察を重ね、フロイトの精神分析、ベネディクトの『菊と刀』、サピア・ウォーフの文化言語論などを比較検討し、「甘え」理論を構築、人間心理の本質を丹念に追究した。
 「甘え」は「つきはなされてしまうことを否定し、接近欲求を含み、分離する感情を別のよりよい方法で解決しようとすること」と定義される。

   本書では、「甘えの世界」として日本人の精神生活に根ざした「義理人情」などを取り挙げ、その観念体系を説明、「甘えの論理」で言語と心理の不可分の関係を論じた。また「甘えの病理」では「甘え」の延長線上にある「くやしい」という感情を解説し、その病理を「甘えと現代社会」という社会現象論にまで発展させていく。

   初版から30年を経て、「甘え」理論は時代背景の違いはあるにせよ、日本人の心理を解く重要な概念として、その色を失っていない。ただ、専門的解説や引用が多いのでわかりにくいかもしれない。それを考慮してか、新装版は、各章ごとの大意、人名・用語解説などを付している。「『甘え』の着想」からゆっくりと注意深く読むことで、日本人に特化した心理にとどまらず、普遍的人間心理の構造を解く「甘え」という概念を熱心に研究した著者の真剣な姿勢や研究過程の面白味が伝わってくるに違いない。(青山浩子)

--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

出版社/著者からの内容紹介

「甘え」が失われた社会に
「甘やかし」と「甘ったれ」が蔓延している。

変質しつつある日本社会の根底に横たわる危機を
鋭く分析した書下し論考<「甘え」今昔>を加えた増補普及版!

----いまこそ読まれるべき不朽の名著

●1971年の刊行以来名著の名をほしいままにしてきた本書は、三十数年後の
今日も読み継がれている古典です。
 本書で著者は「甘えるな」というありきたりの処世訓を説いたのではな
く、日本社会において人々の心性の基本にある「甘え」「甘えさせる」人間関係
が潤滑油となって集団としてのまとまりが保たれ、発展が支えられてきたこと
を分析して見せたのです。

 しかしその後日本の社会と文化は大きく変質し、油断ならない、ぎすぎすし
た関係を当然とする社会風土が形成されてきました。それはすなわち、良き「甘
え」が消失し、一方的な「甘やかし」や独りよがりの「甘ったれ」が目立つ世の
中になったことも意味するのです。

 いまこそ、本書を通じて、なぜかくも生きづらい世になってしまったの
か、日本社会はどうあるべきなのかをじっくり考えてみましょう。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。


登録情報

  • 単行本: 229ページ
  • 出版社: 弘文堂; 第3版 (1991/10)
  • ISBN-10: 4335650787
  • ISBN-13: 978-4335650789
  • 発売日: 1991/10
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 163,806位 (本のベストセラーを見る)
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27 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
著者は、本書において「甘え」の概念を日本独特のものと捉え
「甘え」の語彙があまり見られない西欧社会と比較し、
斬新な日本文化論(あるいは日本的コミュニケーション論)
を打ち出した。本書はその意味で評価できる。

著者が、「甘え」は幼児的であるとし、母から幼児に与えられるような

「受身的愛」が日本的コミュニケーションを貫く一つの特徴であるとの理論は見事。

ただ、「甘え」に関連する語彙の話から、精神病理の問題や、個人と集団の関係の分析に入ったりと、論理展開の統一性に欠ける感じがするため「甘え」のイデオロギーを説く本としてのまとまりがもう少しほしかった。

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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By オキムラ良二 トップ1000レビュアー
形式:単行本
海外で暮らして思うのは日本の精神文化は西洋とはかなり違うということです。アメリカでは
質問に対し、「イエス」か「ノー」かではっきり答えなければならないことが多く、日本人の
ようないわゆる「察しと思いやり」ということがない。このことにアメリカに暮らし始めた当初、
ひじょうに違和感を持ったのを憶えています。

著者は日本人の心理に特異的なものがあるとするならば、それは日本語の特異性と密接な関係
があるに違いないとの観点から、日本語独特の語彙である「甘え」の考察を始める。
「甘え」の心理が日本人の精神文化に深い関わりがあることを本書の中で示しています。

冒頭の「甘え今昔」では現代の日本社会が「甘え」を中心とした親しい二者関係が失われつつ
あり、「甘やかし」と「甘ったれ」に溢れていることを憂えている。
やはり、核家族化などが進んだことも原因ではないだろうか? 日本人の本来の良さを見つめ
直す機会を与えてくれた良書。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By wake
形式:単行本
初版以来30年以上経つ書であるが、私が購入したのは増補普及版として今年新たに上梓されたもので、『「甘え」今昔』という短い章が冒頭に新たに付加され、著者自ら本書を現代的な視点で振り返り、「甘え」心理について新たな考察を述べている。相手が自分に好意を持っていることを前提とする「甘え」に対し、今日では好意があると思わせたい、あるいは思い込みたいという意図から、甘えを演出する「甘やかし」や「甘ったれ」が大勢を占めているという指摘は興味深い。
一方、中核の本文自体は変わらないため、論拠となる社会背景が現在とは大きく異なり、古さを感じざるを得ないところは多々ある。また、精神分析・哲学・心理学史や比較文化論についてある程度の知識があった方が深く理解できると思われ、これらに疎い私には充分に理解できないところも多くあった。しかしそれでもなお多くの示唆を得られたと感じる。日本人を始めとして存在する通奏心理としての「甘え」を切り口に、他者や集団との強い同一化やその反動としての排他性、受身的な愛、公私混同、幼児性を保持したままの大人化などの観点である。
また、個人や共通言語圏、それぞれの時代ごとに形成される言語による認知世界観と、非言語的な心理世界との関係性について思索し、現代の脳科学や認知神経科学による研究への興味を惹きたてる契機を与えてくれるものでもある。
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