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「理系」という生き方 理系白書2 (講談社文庫)
 
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「理系」という生き方 理系白書2 (講談社文庫) [文庫]

毎日新聞科学環境部
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商品の説明

内容説明

「理系」「文系」と分けられた生き方を壊す日本では「理系」「文系」を高校時代に選択する。その選択が、お互いの発想と領域に壁を作ってしまって、地球的な問題の解決を遅らせている。その解決法を探る!

内容(「BOOK」データベースより)

日本では、理系と文系の選択を高校でしなければならない。これは受験に有利だからだ。その結果、大人の科学知識は欠如し、日本企業の技術力は低下している。給与、待遇が有利だと文系職種を選んだ理系卒業者は、文系カルチャーの企業社会のなかで、どう生きるのか。科学の意味を問う。

登録情報

  • 文庫: 256ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/12/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062759268
  • ISBN-13: 978-4062759267
  • 発売日: 2007/12/14
  • 商品パッケージの寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 いささか誤解を呼ぶタイトル 2008/3/5
形式:文庫
就職、受験対策などに発する、理不尽な早い時期での文理分けによる弊害などを中心に、日本社会にはびこる、理系を軽視する傾向に警鐘を鳴らす、読みごたえのある本である。きちんと関係者などを取材し、データを用いて理論を裏付けているので、クリアな著者の主張には納得させられることが多い。余剰ポスドク問題など、近視眼的な科学政策の結果などにも目を向け、理系(というか近視眼的な学術偏重主義)特有の問題をもとりあげている。

技術立国としての日本の将来における理系教育の重要さを語るが、内容的には決して、文系を軽視するような論調では無いし、理系の優越を主張しているわけでもない。個人的には、文系の方により多く読んでほしい気がする。理系のなかで生きてきた人間としては、就職時、理系産業やアカデミアに残らない道を選んだ人々の経験談が、ためになった。

結局、問題の本質は、日本社会(教育機関や企業など)の柔軟性の無さにあるような気がしてならない。日本社会は上から下まで、あまりに理路整然と、「進むべき道」が整っていて、一度でも敷かれた道を外れると、ある意味で「普通」の社会へ再び入り込むのが、難しくなってしまう。これは、ニート問題などとも、切り離せないのではなかろうか。文理分けは、実質的に進路分けなので、若い子供達は分けられた時点で、「進むべき道」を与えられてしまう。本書でも語られるが、進路変更には、非常な困難が伴う。

日本でも、戦後長らく成功し続けた画一社会が崩壊してしまったので、エリートコースを歩んできた幸運な人材だけでなく、すこし外れた道を歩んだ人間をも、有効に活用できるような社会への変革が、国際的な競争力を維持するためには絶対に必要である。豊かになった日本は、人それぞれ違う豊かな生き方を尊重できるような、包容力のある社会を目指す必要があるのではないか、と感じた。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 教育政策の目標が不明確だった 2008/4/13
By vatmideo トップ500レビュアー
形式:文庫
私自身は高校で社会4教科、理科4教科ともに英語・国語・数学なども勉強した世代で、選択の余地はありませんでした。当時は「数学なんて役に立たない」などと考えていましたが、今になって思うと、物事を理解し考える手段として必要だと感じています。「詰め込み教育」などと批判されていましたが、物事を学ぶ時、最初にある程度詰め込まないと理解できる段階には達しないこともこれまでの経験から理解しています。
本書では文系と理系を区別している大学入試制度が、高校での早い時期からの文理別コースの教育に繋がり、文理の壁を作ってきたことを様々な角度から検証しています。また大学の学部の中でもいくつもの科があり、それゆえ専門性が高くなり、修士・博士が社会に出て行きにくい状況を解説しています。
結局のところ、大学を卒業した人は「どういう人間であるべきか」という人間像=教育政策の目標が不明確だったという政策の問題になると思います。
私自身は理系ですが、ある程度の歳になっている文系の方々の感覚的な判断には、いささか馴染めずにいます。

蛇足:実はそういった「定義不明」といった問題は、我々の周囲に結構ありますが、そのまま議論が進行しているのです。例えば「裁判員制度」の目的は「司法に一般常識を持ち込むこと」だったはずですが、裁判員制度の是非の議論が進行してしまい、他の解決策を策定・検討するという選択肢は消えています。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 この本は、理系白書2「『理系』という生き方」というタイトルであるが、全5章の中でそのことを書いているのは1章だけで、多くの部分では技術立国日本の課題を明らかにしている。

 主な論点は、次のとおりである。
(1) 理系の人たちが、金融、不動産、商社など従来「文系」職場と思われていたところにも進出するようになっていること。そして、苦労がある反面、理系の知識やセンスを活かして成功している人も多いこと。(第3章「文系社会で生きる」)
(2) 大学受験の科目数削減に対応して、高校では文系・理系分けが早期から行われ、受験に不要な科目は学習しない傾向が強まっていること。その結果、文系・理系双方に、重要な知識の欠落が生じていること。また、若いときにいったん決めただけの理系・文系の進路が、後に変更困難な状況になっていること。(第1章「文理分け教育)、第2章「破れ、専門の壁」)
(3) 「高齢ポストドクター問題」に象徴されるように、日本では博士となっても、それに見合う処遇が得られていないこと。その能力を活かす社会になっていないこと。(第4章「博士という『壁』」)
(4) 理科教育振興法があるにもかかわらず、日本の科学教育の体制は極めて不十分であること。また、教員志望者の多くが物理を履修さえしていなかったり、好きでなかったりの状況であり、このような教員が十分な科学教育ができるか懸念があること。(第5章「よみがえれ科学技術教育」)

 びっくりするような事実や明快な改革の処方箋が記述されているわけではないが、多くの論点をバランスよくとりあげており、科学技術を振興し、理系人材を社会で活かしていくための論点を提示している良書だと思います。
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