コツ3部作の精神療法面接のコツの第4章の「学習と文化」に通じるものを感じた。この章は先生自ら「グリコのおまけ」と評し、今回の本は「童話」とまで言い切っている。しかしそこに見事なまでの先生の策略が感じ取れる。これらの文章を「取るに足らないもの」と捉えた者に対して、先生の「ファントム」は、その者の無意識に直接入り込み、その者の「からだ」に変化を与えるだろう。そして、これらの文章を「素晴らしい」と感じた者は、繰り返し目を通し、音読することによって、結果、その者に変化を促すだろう。いずれにせよ、先生の「ファントム」は、読む者に変化を与えてしまうのである。読み手の「ファントム」と「からだ」を繋げるための触媒として働き、「医学栄えて、医療亡びる」ことを少しでも遅らせるために、先生の「ファントム」は世に出された。この本によって「大いなる退行」を選び取る者が1人でも多くなることを望む。