本書は20世紀後半に急速な発展を遂げた生命工学の成り立ち
を量子力学との接点から描いた本です。その過程において
日本人研究者がどのように貢献していったかも、克明に説明
されています。20世紀の科学史を振り返る意味でも良い本だ
と思います。
本書の優れている点の一つとして、参考文献紹介が充実している
ことです。単に書名、著者名が記載されているだけでなく、
本書の著者による一言コメントが紹介された文献に付いていま
す。孫引きして、さらにこの分野について理解を深めたい方に
はとても親切な作りになっています。
惜しむらくは、文中で頻用される不自然な体言止めです。正直、
読んでいて違和感がずっとなくなりませんでした。☆5つに値
する本だと思いますが、この点を割り引いて☆4つにしたいと
思います。