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「海洋国家」日本の戦後史 (ちくま新書)
 
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「海洋国家」日本の戦後史 (ちくま新書) [新書]

宮城 大蔵
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

戦後世界でアジアほど、巨大な変貌を遂げた地域は他にない。独立と革命、冷戦と内戦で覆われたかつてのアジアは、世界で最も経済的活力に溢れる地域へと姿を変えた。一体何がこのアジアの変貌をもたらしたのか。その鍵を握る海域アジアの戦後史は、海洋国家・日本の歩みと軌を一にするものであった。アメリカの冷戦戦略やアジアにおける大英帝国の解体、そして「中国問題」の台頭というアジアの現在を形作った劇的な時代における日本の秘かな航跡を描き出し、再び政治の時代を迎えつつあるアジアの中での新たな役割を提示する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

宮城 大蔵
1968年東京都生まれ。92年、立教大学法学部を卒業後、96年までNHK記者。2001年、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。立教大学法学部助手、北海道大学法学部専任講師などを経て、政策研究大学院大学助教授。著書に『戦後アジア秩序の模索と日本』(創文社、サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 231ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/06)
  • ISBN-10: 448006432X
  • ISBN-13: 978-4480064325
  • 発売日: 2008/06
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By 左党犬 トップ500レビュアー
形式:新書
 敗戦によって満洲を含めた海外植民地のすべてを失った「大陸国家」日本は、戦後「海洋国家」として活路を見いだし、復活に成功した。本書は、この「海洋国家」日本の戦後史を、東南アジアを舞台に、大きく変化する国際関係のなかで描いた好著である。

 かつて日本人が「南方」とよんでいた地域は、現在では戦時中に大英帝国が命名した「東南アジア」とよばれている。大英帝国は、第二次大戦の勝利者となったにもかかわらず国力を急速に失い、植民地が次々に独立して解体、東南アジアの覇権は、海軍力で世界を圧倒する米国が取ってかわった。 
 「市場としての中国」を失った敗戦国日本は、冷戦構造のなか、米国の反共戦略の一環として「市場としての東南アジア」での経済活動を許され、「戦後賠償」というひも付き援助によって、日本企業の東南アジア進出を後押ししてゆく。こうして戦前の「大陸国家」の痛い失敗から立ち直った日本は、米国の世界戦略の枠組みのなかで「海洋国家」として復活をとげたのである。

 タイトルには直接でてこないが、本書は日本の戦後復興と高度経済成長が、とくに資源大国インドネシアとのかかわり抜きにはありえなかったことが活写されている。
 日本政府は、スカルノ大統領が盟主となった非同盟の「第三世界」ではなく、日米安保条約による同盟国米国の支配権のもと、実利を求める道を選択した。「戦後アジアの転換点」になった1965年の「九・三〇事件」でスカルノ大統領が失脚、軍人出身のスハルト大統領が以後「開発独裁」体制を全面的に進めていくが、これを支えたのが日本であった。冷戦構造が1991年に崩壊し、その後発生した1997年の「アジア金融危機」でスハルト大統領が失脚、日本のインドネシアに対する姿勢は大きく変化することを求められたが、迷走を続けている。戦後アジアにおいて、米国と並ぶプレイヤーであり続けた中国と日本の綱引きも実に興味深い。

 戦後日本現代史に興味をもつ人だけでなく、インドネシア現代史、米国と中国の国際関係に関心をもつ人にも読んでほしい。

 
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
タイトルはグローバルだが、中印などアジアのほかの大国はあくまで脇役で、1章で取り上げられるバンドン会議以降、本書の議論軸はインドネシアと日本の戦後関係史に収斂されていると言っていい。

戦前レジームを見直す動きが大きくなっているわが国で、親日的人物として取り上げられることの多いスカルノ大統領だが、非常に対外的に高圧的な外交を展開する。日本にも当時のGNPを上回る高額の賠償金を吹っかけたり、マレーシア紛争での日本の調停を拒否するなど必ずしも友好的ではない。しかし、日本は、賠償金を日本の言い値に近い額で決着させたり、スカルノ時代のインドネシアに大きな影響力を行使した。デヴィ夫人や斎藤大使などスカルノに近い人物が多数いたこともあるが、領土問題で周辺国と軋轢を深めるとともに共産化が進み中国とともに急速に国際社会で孤立するスカルノ・インドネシアを支えた数少ない国が日本だったからだ。インドネシアの海運を一手に握っていたオランダの海運企業を接収したために、オランダが船を引き上げ、島嶼国家としては致命的な船舶不足に陥り、飢餓の危機になったとき、まさに賠償交渉の山場だった。賠償を船舶で提供してほしいとの申し出を日本は了承し、交渉は妥結する。相手を見透かした日本の意外な外交巧者ぶりを感じる。

一読して、エキセントリックにも見えるスカルノの民族主義者ぶりが印象に残る。政権末期は「中国・インドネシア枢軸」と呼ばれる共産化に傾斜したインドネシアに各国愛想を尽かす。デヴィ夫人を贈った日本があっさりスカルノを見捨てるのも、うなずける。

全くの余談だが、浮世離れしたセレブタレントという印象しかなかったデヴィ夫人の話が結構出てきて楽しかった。スカルノが退陣するきっかけになった9・30事件を前夜の気持ちを振り返る夫人の言葉には(回顧録の引用)、なかなかの臨場感があり、彼女もまた歴史の証人だったのだと感じた。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By recluse VINE™ メンバー
形式:新書
つまらない私事を述べさせていただきますと、昔(70年代後半)、中園英助の「密書」や三好徹の「風塵地帯」を読んでなんともいえない理解できない違和感を抱いたことがありました。今回のこの作品も、帯を見て当初は購入する気はなかったのですが、ある書評を見てとうとう読むことになりました。読後感は、驚きでした。というのはインドネシアの戦後の対外政策の焦点とその変遷(独立から開発へ)が日本や周りの大国(米国、英国そして中国)との関わりとのなかで、見事にその骨子が分析されています。そこでは従来あたかもひとつの過ぎ行くエピソードとして扱われてきたインドネシアの「confrontasi政策」の背景が素人にもわかりやすく説明されています。そうもともとはマレーシアもインドネシアという地域もマレー民族が住むひとつの文明圏だったのです。そこに中国人とインド人が様々な要因(植民地化)で住み着くことになったいうわけです。その文脈の中でスカルノの独立をモチーフとした政策が持った正当性が語られます。しかしその「インドネシア」という国自体が、オランダに植民地にされたという事実だけを共通の因子とするだけの諸民族から構成される共同体だったという矛盾は皮肉です。もうひとつの本書の売りは、日本の戦後の対外政策が、抜け出すことのできない戦後の拘束(米国の傘と日本にとっての中国という場の消滅)の中で、戦後10年という時代にもかかわらず独自の戦略と行動の自由をlow politics(政治以外の経済領域)の中で持とうとした点です。外務省にもまだ当時は「戦略」と「悪」があったのですね。スペースの都合でしょう、本書で分析が十分に及ばなかったのは、この地域への中国の影とそれへの土着からの反発です。この論点はより深い分析が必要とされます。そういう意味では永遠に、この地域は中国と日本の影響力が競われる場所なのです。
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知らんかった・・・戦後史
面白い本だ。
読めば読むほど、自分は戦後史を知らんなあとうなってしまう。
インドネシアが独立した当初、... 続きを読む
投稿日: 2008/7/4 投稿者: 純ちゃん
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