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「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ
 
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「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ [単行本]

吉田太郎
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

人口減少、超高齢化、経済の衰退に直面する日本が参考にするのは、質素でも、ビンボー臭くない、キューバの「没落力」だ!



明治維新以来、「坂の上の雲」を目指して登り続け、世界第2位の経済大国と1億総中流を達成した日本は、いまや米国に次ぐ世界第2 位の「貧困大国」だ。食品偽装、国土荒廃、医療崩壊、学力低下、派遣労働者の大量失業・・・

どこを見渡しても、希望のカケラすら見えない。だが、経済成長は豊かさとは直結しないし、モノの豊かさは幸せとも違う。
有機農業で100%自給。高い教育水準と豊かな文化、助け合う地域住民、何よりも大切にされる子どもたち、あくせく働かなくても不
安なきフリーター生活。次々と訪れる外国人たちが口をそろえて「モノは貧しくてもこの国には貧困がない。生まれ変わるのであれば
、この国の庶民に」とまで賞賛したのは、キューバではなく、150年前のニッポンだった。

まもなく人類はピーク・オイルを迎える。大量の石油消費を前提とした経済成長もトリクルダウンも、もはやない。となれば、求めら
れるのは、血を流しての資源争奪戦ではなく、モノに頼らずに幸せに暮らすためのノウハウ、いわば「没落力」だ。
しかし、成長のための提言はあっても、安全な没落のためのマニュアルはない。となれば、すでに超低空飛行をしている「没落先進国
」にヒントを求めるしかないだろう。

3世代詰め込みのウサギ小屋、低迷する食糧自給率、慢性的なモノ不足と後を絶たない亡命。キューバは、お世辞にも格差なき有機の
楽園とはいえない。だが、家が雨漏りはしてもホームレスはただ一人としていない。竹を利用してエコ住宅を建て、農村では農民たち
が種子を交換しあって自給に励む。度重なる巨大ハリケーン来襲にもほとんど死傷者を出さない防災対策と、文化豊かな国づくりをキ
ーワードに、首都ハバナは数世紀前の景観を復元した歴史博物館となった。

都市農業、環境、医療、教育と、キューバの先進優良事例を描いてきたキューバ・リポートの第5弾は、江戸期の日本を参照しつつ、
キューバのマイナス面に光をあてて日本を逆照射する。

モノは貧しくても貧困なきキューバは、人びとが尊厳を持って生きられる国へと日本が優雅に没落していくための指針となるだろう。

内容(「BOOK」データベースより)

人口減少、超高齢化、経済の衰退に直面する日本が参考にするのは、質素でも、ビンボー臭くない、キューバの「没落力」だ。

登録情報

  • 単行本: 336ページ
  • 出版社: 築地書館 (2009/10/2)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4806713902
  • ISBN-13: 978-4806713906
  • 発売日: 2009/10/2
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
この人のキューバ礼賛本は全て読んだが、みな手法は同じである。
本書でも、一見「冷静で公平』を装って、キューバ礼賛という名の洗脳を行っている。
キューバの格差を率直に書くが、これは市場経済のせいとする。
失業率の低さのからくりを暴くが、暴いただけで批判は無い。

僕には圧政の中で国民がしたたかに生きているとしか見えない。
この国は手本にはしたくない。

街中で、市民にインタビューすると、みな自国を褒めるというが、
こういう国で公の場所で、外国人になにか聞かれて褒めるのは、当たり前である。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 本書で著者のキューバ物は5冊目、渡航も13回に及ぶ。
 私もシリーズのレビューで「全ての真実でないのは確か」と書いたが、本書ではあえて狭くボロい住宅・食糧の不足と高価さ・非効率な官僚制度・200倍もの所得格差等マイナス面を特集して書いている。
 これら苦難を乗り越えてこられたのは、人々の連帯であるが、それも失われつつあるとも。

 これらはゲバラの求めた、人間の敵である資本主義社会の価値観を克服し、共同体のために尽くし、労働を喜びと感じる『新しい人間』の育成に失敗したからで、そのような理想的な人々だけの国など出来ようもないのだが、そうであっても政府は人と命を大切にし、人々は助け合い、銭や物は無いが時間と心の豊かさはある生活を送っている。

 勿論悪い面ばかりではなく、硬直化した官僚主義を地域の声を吸い上げ、国の政治に反映することで打破し、資本主義的経済システムを徐々に取り入ての農業生産性向上、ドロップアウトした若者やシングルマザーも手に職をつけられるシステム、貧しくとも大学で学べる教育の機会均等、以前は迫害された同性愛者も芸術家も、新たに政府批判ブログを発信しているヨアニ=サンチェスも、逮捕・国外追放されずに国内で暮らせるようになった点も書かれており、より生のキューバに近くなった。
 
 それでも売春、工場から盗んだ闇葉巻売り、ひったくり等の犯罪者はいるし、官僚等高級職の黒人の割合は少なく、亡命する者もいるが、殊更にマイナス面をクローズアップするならば、他国のそれはもっと酷いのではないか?

 
 キューバを見習う面は資本主義諸国も多く、命が軽視され続ける日本は特に、これからの少子化により経済2流国化に向けて、取り入れるべき点は多い。
 住みよい国は、誰かがくれる物ではなく、(例え無血でも)闘いで勝ち取り作り上げていくしかないのだ。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By マルチちゅ トップ1000レビュアー
形式:単行本
 本書は著者によるキューバレポートシリーズの第5作目。今回は経済危機や資源の枯渇を念頭に置き、その中でいかに豊かな社会を築くか、という観点でレポートされています。トピックは住居・都市計画、農業政策、災害対策、文化政策と、暮らしのインフラに関わる部分です。
 「建築家の社会化」によって誕生したコミュニティの建築家が、建主・家族と相談し、きめの細かい建築・改築プランを立てて無理のないコスト負担計画を実現することで、活発な住宅投資を促進しています。また、古代のセメント技術を復活させ、地域でセメントを自給し、高コスト・高エネルギーのセメント生産からの脱却、住民参加のまちづくりワークショップでゴミ捨て場の清掃と植林など、創意工夫に溢れたまちづくりが行われています。また、農業では農業改革による農家収入の増加、多品種栽培によるアグロエコロジーによって農薬を使わずにコストを下げ、さらに収量も落とさない農業経営、種子交換フェアによる農民主体の品種改良で農業生産性を上げつつあります。災害対策では住民によるハザードマップ作り、学校での防災教育、そして徹底した住民避難によって奇跡の人命損失の防止を実現し、文化政策では民衆教育による行き届いた成人教育体制、ワークショップ手法の開発による住民参加の増大、住民に身近な芸術作品、雇用と文化的景観と住環境整備を両立させる旧市街地整備により、国民の精神的文化的水準の向上をはかっています。
 今回は今までよりも、キューバの悪い面を意識的に紹介しています。深刻な住宅不足、硬直化した官僚制度。しかし、その悪弊に対して少しづつでも立ち向かっている姿がキューバにはあります。また、日本との共通点も意外と多く、著者はキューバの姿を鏡に日本の将来像を提起します。日本社会は来る低空飛行から、どのように軟着陸するのか。いつ来るのか分からない不気味な危機に対して、本書が提起するものは大いに参考になるものと思います。
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