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「水」戦争の世紀 (集英社新書)
 
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「水」戦争の世紀 (集英社新書) [新書]

モード・バーロウ , トニー・クラーク , 鈴木 主税
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

21世紀、人類は「水」をめぐって争うようになる。利用可能な淡水は地球規模で急速に減少し、独占されつつあるのだ。もはや石油よりも貴重な資源となった水。その奪い合いの衝撃の実態とは?

内容(「BOOK」データベースより)

水は無尽蔵にあると、我々は思いがちだ。しかし人類が利用できる淡水は、実は地球の総水量の〇・五%にも満たない。しかも、その淡水資源は、環境破壊や都市化などによって急激に減り続けている。それだけではない。いまや石油よりも貴重な天然資源となった水は、グローバル企業や世界銀行、IMFなどにより、巨大なビジネスチャンスの対象とされ、独占されつつあるのだ。今、生きるための絶対条件である水を得られない人びとが、大幅に増えている。地球のすべての生命体の共有財産である淡水資源が枯渇すれば、人類の未来はない。世界の「水」をめぐる衝撃の実態を明らかにし、その保全と再生のための方途をさぐる、必読の書。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 集英社 (2003/11/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087202186
  • ISBN-13: 978-4087202182
  • 発売日: 2003/11/14
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
水にまつわる問題には様々な側面がある。

1.汚染の問題

2.工業、集約的農業畜産業による枯渇の問題

3.ダムなど水系の人為的破壊による、人権、生態系、気候への影響

4.水資源の商品化により、貧しい人にとって水が手に入らなくなりつつあること

5.水は「ニーズ」ではなく水の入手は「権利」であり、脱商品化されるべきものであること

 この中で日本人にとって比較的なじみのないのは「水資源の商品化」だろう。欧州の巨大コングロマリットである「ビベンディ・ユニバーサル」や「スエズ」といった企業は上下水道事業を営んでおり、途上国にも積極的に進出している。そんな中IMFや世銀が貧しい債務国に対して、さらなる融資の条件として水道事業を含む公共セクターを民間に売却するよう強制する。

 そしてアルゼンチンや南アフリカにおいては水道料金が民営化によって下がるどころか値上がりしたり、サービスの質も悪化したり、貧しい人々にとって水へのアクセスは逆に悪化している。

 本書で述べられているIMF、世銀およびアメリカ財務省の間の「ワシントン・コンセンサス」、つまり極力民営化、自由化をすすめさせるという施策についてはスティグリッツの「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」にさらに詳細に説明されているので参考にされることをおすすめする。

 そして結びには「グローバルな水資源を商品化するのは間違いであり」世界の市民の共有財産=コモンズとして、商品化をやめ、「脱商品化」すべきだ、とある。環境の問題に真剣に対抗しようとする以上、「暖房の温度を低めに設定しよう」とか、「エコバッグを使おう」とかで済むことではなく、私たちを取り巻く世界の経済、社会の構造のひずみに直面させられざるをえない、それを感じさせられた本である。
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
産業の発展と浪費によって枯渇に向かっている地球の淡水資源。生命維持に欠かせない資源が残り少ないとなれば、そこに大きなビジネスチャンスが産まれる。多国籍企業は世界中の淡水資源をあさり、利権の独占を進めている。淡水が私企業の支配下に入れば、それは商品として売られることになり、市場原理によって価格が決められることになる。購買力の有無が水を得られる/得られないの分かれ目となり、貧困層は生活に欠かせない水を手に入れられなくなる。グローバル経済のなかで進められている「水の商品化」に歯止めをかける必要がある。筆者たちはNGOなどの活動家で、「地球の生命すべての共有財産」である水を金儲けの手段にさせないために、告発と提言の書としてこの本を書いている。

第1部では地球上の淡水がいかに危機的な状態にあるか、数々の調査データを紹介して現状を紹介。水源の枯渇のほか、汚染の深刻さを訴えている。

ついで第2部では世界銀行やWTOが国際的水企業の手先として機能している実態を告発。財政難にあえぐ都市や第三世界の国々に援助を与える見返りとして水道事業の民営化を強制し、それら市民、国民の水をグローバル大企業に支配させているのだ。水道料金を値上げし、料金の払えない貧困者への給水をストップした事例など、無慈悲な企業のふるまいが列挙されている。ボトル詰めの水に関しても業界の金儲け優先・環境無視の姿勢が紹介されている。かつてNHKで『ウォータービジネス』という番組が放映されたが、あの程度で驚いてはいられない。おそろしいほどのぼろ儲けだ。

第3部では水を奪われないための市民や地域社会の活動を紹介し、「水は商品ではない」ことを国際的コンセンサスとする必要性を訴えている。国際的水企業と国際的金融機関、貿易機関との、まさに戦いであり、「水戦争」という邦題はあながち大袈裟とも言えない。

水を得るためにさしたる苦労もしていない日本ではピンとこない話題かもしれないが、これは地球規模の危急の問題であり、グローバル化の危険性を知る意味でも読んでおくべき一冊だろう。

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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
衝撃 2004/11/5
By ny トップ500レビュアー
形式:新書
 「石油」をめぐって人類は争い、他国の主権を侵し、殺し合いすら
おきる。不幸なことであるが、人間が生きてゆく上で欠かせないもの、
であり、かつ限られた場所でしか採取できない資源であるので、そう
いうことはおきてしまうということはわかる気がする。

 しかし、石油の次は「水」であるという本書の主張は衝撃である。
ここに書かれている内容の検証は別途必要であろうが、すでに「水」
の争奪戦は始まっており、「水が権利」であるという認識から「水
はニーズ」であるという解釈がまかり通り(つまり水は商品である
ということにつながってゆく)特定の多国籍企業が利権を囲い込んで
いっていること、限られた飲み水がどんどん汚染されていることなど、
身近に迫った人類の危機が理解できる。
 世の中、どっかおかしい。書評を書いている場合ではない・・。

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