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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
財界人として読み解く、高島嘉右衛門の評伝。,
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レビュー対象商品: 「横浜」をつくった男―易聖・高島嘉右衛門の生涯 (光文社文庫) (文庫)
高嶋嘉右衛門といえば、易者、霊能者としてしか知らなかったが、財界人でもあったことに大いに驚く。今でも、横浜市の中心地に高嶋嘉右衛門にちなんだ「高島」という地名が残り、横浜市営地下鉄に「新高島」という駅名が残っていることでも、その関わりの深さがわかるというもの。赤穂浪士の墓があることで有名な高輪泉岳寺に高嶋嘉右衛門の墓があるが、京浜国道の向こう側に高嶋嘉右衛門が計画した新橋、横浜間の鉄道が通っていることに因縁を感じる。 因縁といえば、高嶋嘉右衛門は伊藤博文の暗殺を予言し、その暗殺者にかかわるキーワードまでをも伊藤博文に通告していたというが、まさに的中していることに驚く。 著者は推理作家であり、易の研究家でもあるところから、読みあきないストーリー展開となっている。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
恰好の入門書,
By 山が好き (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「横浜」をつくった男―易聖・高島嘉右衛門の生涯 (光文社文庫) (文庫)
高島嘉右衛門は、開港まもない慶応2年(1866)の横浜に土木建築請負業をもって挑み、僅か4、5年で莫大な財産を築いた人物でした。その私財を元手として、明治3年(1870)から6年ほどの僅かな期間に、本邦初の横浜・新橋間鉄道用地の埋立工事、ガス会社の設立、水道会社の設立、洋学校の設立などの先駆的な事業を次々と立ち上げました。本書は、神津恭介シリーズで有名な推理作家の高木彬光氏によって、昭和54年に発表された『大予言者の秘密 易聖・高島嘉右衛門の生涯』を改題出版したものです。易断に造詣の深かった高木氏は、高島嘉右衛門に対して強い思い入れがあったようで、想像力に任せて人物像を捏造することもなく、史料を丹念にあたって本作を執筆されたことがわかります。 旧題が示すとおり、易断家としての高島嘉右衛門に重きを置いてはいますが、「横浜をつくった男」が如何なる人物であったかを知るには、恰好の入門書と言えるでしょう。
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
蘇ったハマの街づくりの恩人,
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レビュー対象商品: 「横浜」をつくった男―易聖・高島嘉右衛門の生涯 (光文社文庫) (文庫)
年末が近づくと、本屋に平積みされる来年の暦の数々。出版元はいろいろだが、いずれも表紙に「高島易断」と銘打ち、高島呑象翁の肖像が巻頭を飾る。この呑象こと、高島嘉右衛門の名は、今や高島易断の創立者として知られるばかり。もう一つの大きな功績、鉄道建設や異人館建設などで、近代都市横浜の初期の街づくりに貢献したことは、案外知られていない。三十年前、推理作家の高木彬光氏は『大預言者の秘密 易聖・高島嘉右衛門の生涯』を著し、光文社カッパブックスとして刊行した。フィクションを含めつつ、横浜の街づくりと易の両面から魅力的に描いた一冊だ。だが、残念なことに、長らく入手困難だった。この好著が、2009年の横浜開港150周年を記念し、『「横浜」をつくった男』と改題され、光文社文庫として復刻されたのは、時宜を得て喜ばしい。この一冊で、幕末から明治初期の日本の近代黎明期に、横浜を舞台に活躍した高島嘉右衛門の波乱に満ちた生涯が手に取るようにわかるようになった。 偉大な父の期待に応えながら、成功と破滅の間を行き来する振幅の大きい青年期は、まるでジェットコースター小説のようである。失意のどん底の牢獄で易の本と出合い、やがて運命の上昇気流に乗って、遂には明治の大国家事業である日本初の鉄道敷設に力を尽くす。しかし、事業家としての栄達に執着せずあっさり捨てて、四十歳代後半からは易の研究に没頭する。そんなスケールの大きな男の背中は、混迷の時代を生きる我々を励ましてくれる。どこからでも這い上がって、己のチャンスを掴め、と。 作家の想像の羽が脹らんで生まれたハマの女刺青師弁天お雪の存在も魅力的だ。読者を時空を越えた旅に誘い、お雪が歩く横浜の街に立たせてくれる。さらに、熱心な易の研究者でもあった高木氏に導かれて垣間見る易の世界は、我々一人ひとりに、人生の深遠と神秘を教えてくれる。
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