オンエア中はたまにしか観る機会がなかった「桑田佳佑の音楽寅さん」、待望のDVD化に勇んで購入したものの、なんせ本編特典併せて650分のヴォリューム感。観れども観れども終わらない至福感に浸りながら、ようやく完走した。
ここに凝縮されているのは桑田サウンドのみならぬ、ロックからフォーク、ポップスからジャズに至るまでの古今東西の洋楽邦楽の名曲たち。
選曲もふるっていて、例えば、石川セリ「八月の濡れた砂」、浅川マキ「かもめ」、小林万里子「朝起きたら」と言った知る人ぞ知る幻の名曲があって、ジャジィな「おふくろさん」やブルースな「千の風になって」や弦楽協奏な「ゲゲゲの鬼太郎」があって、伝説の渋谷ゲリラライヴでの「勝手にシンドバッド」や網走刑務所慰問での「花」があって、ビートルズ、ディラン、ザ・フー、クラプトンがあって、そしてもちろん適材適所でお約束のライヴがあってと、あといちいち挙げていられないけれど、各回とも例外なく聴き惚れたり口ずさんでしまう素晴らしさで、今更ながらに、桑田と製作陣の音楽センスのとフットワークの良さに感心する。
しかも、それだけでも満足なのに、楽曲たちの合間に繰り広げられるユースケ・サンタマリアとの軽妙なやり取りとベタな寸劇の数々のバカバカしさ(笑)が、これが時折インサートされるテロップと相俟って、実に可笑しい。
正に、歌とヴァラエティのコンビネーションで、そのパーソナルな魅力を実感する。桑田さんて、ホントにサービス精神旺盛なのね。
シンガーとしての確かな実力と、稀代のエンタテイナー、桑田佳佑の真髄を堪能出来るBOX。ファンなら絶対手元に置きたいソフトゆえに、この価格は決して高いとは思えない。