本書は、「フクシマ」後の日本への、希望の書である。
主に立場も世代も違う三者の鼎談で構成された140ページ程の薄い本ではあるが、
都合の良い美談や「がんばれニッポン」といった空疎な言葉ではもはや覆いきれなくなった
「東北」という土地の歩んできた過酷な道程、都市と地方の断絶を
それぞれの言葉によって白日の下に晒している。
東北は、兵隊も、コメも、労働者も、電力も、全て都市に捧げてきた植民地であった。
都市に住むわたしは、何をもってそれに応えることができるのだろうか。
壊滅的な打撃を被った南三陸町出身の山内氏の農業や漁業への視点、
小熊氏の鋭い現状分析と大局的な問題解決への見通しもさることながら、
民俗学者であり「東北学」の提唱者であり「東日本大震災復興構想会議」のメンバーでもある
赤坂氏の大胆な復興ビジョンは一読の価値がある。
夢物語と言う向きもあろうが、いま必要なのは誰かの足を引っぱる批判ではなく、未来を語ることではないだろうか。
生き残ってしまった私たちができることは、そのことでしか喪われたものたちに報いることができない、そんな気がしている。
追記:
本書での赤坂氏の発言は、「鎮魂と再生のために―――復興構想会議2011.4.30発表メモ」
(http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou3/akasaka.pdf)
をベースに発展させたものと思われる。