本書には、ビジネス書でよくある生命保険でトップをとった方の営業成功本とは明らかに違う価値があります。大手の製造業で法人営業をしている方、中でも「社内ってめんどうだなあ」と感じている方にお勧めしたい一冊です。
私は営業職としてサービス業から製造業へ転職し、痛感したことがあります。お客様を第一に考え行動することは同じですが、社内への気の使いようが圧倒的に違うのです。メーカーでは生産管理、製造現場など、多くの部署に根回しをして段取りをしていかないと社内はなかなか動いてくれません。ばかばかしいと思いますがそれが現実です。
第3章「鍛えるべきは社内営業力」に共感を覚えました。「力の半分は社内に向けよ」とありましたがその通りだと思いました。本書に書かれた例はあくまで著者の経験なので、細かい点は同じ製造業でも扱うものが生産財か消費財かで違いますし、受注産業かどうかでも異なるでしょう。しかし製造業で営業をしている方が、せっかく得意先からいい案件、相談をもたらされたのに、社内が応援してくれなくて興ざめしたとき、途方に暮れたとき、本書を読めば「俺だけじゃないんだな」という気持ちになれるかもしれません。
営業に限らず、お客様の幸せのために仕事をすることは、いつの間にか自分を磨くことにつながっている。全体としてそんなメッセージを感じ取りました。